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北海道身体障害者新聞(第751号)

   

 「歴史と文化が息づく健康・にぎわい・協働のまち小樽」 で
第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会を開催

   「大会スローガン」
一 、 障害者差別解消法の理解啓発を図ろう
一 、 北身協および加盟団体の組織強化を図ろう

  北海道身体障害者福祉協会・小樽身体障害者福祉協会主催、小樽市・小樽市社会福祉協議会共催の「第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会」が9月25日(日)「小樽市民会館」にて開催されました。
  晴天に恵まれた当日は、道内各地からボランティアを含め700余名が集い、大会実行委員会および地元の協力に支えられ、盛大な大会となりました。

 

【大会概要】
●開会
  佐藤 秀臣(さとう ひでおみ)副大会長(北身協 副会長)による開会のことばで 全道大会が開会しました。
  国歌斉唱・物故者へ黙祷のあと、赤坂 勝(あかさか まさる)大会長(北身協会長)から、大会の開催にあたりご協力をいただいた市当局・福祉関係諸団体・ボランティア・多くの市民の皆様、後志地区身体障害者福祉協会の皆様、そして地元小樽身体障害者福祉協会の皆様に感謝と、北海道善行賞・北身協会長表彰を受賞される方にお祝いと感謝を述べられました。
  続いて、名誉大会長の森井 秀明(もりい ひであき)小樽市長より、「第65回全道身体障害者福祉大会が小樽市で開催されることに、地元を代表して歓迎するとともに、開催にあたりご尽力、ご支援をいただいた皆様に感謝とお礼を申し上げます」と、歓迎のおことばを頂戴しました。
●式典及び表彰
  表彰は、北海道善行賞(知事表彰)の自立活動者5名、自立支援功労者の1名、北海道身体障害 者福祉協会会長表彰の自立更生者13名、援護功労者18名に、表彰状と記念品が贈られました。
  続いて、北海道知事(代理 後志総合振興局局長 橋本 彰人(はしもと あきひと)様)、北海道議会議長(代理 小樽市選出北海道議会議員八田 盛茂(はった もりしげ)様)、小樽市議会議長 横田 久俊(よこた ひさとし)様からご祝辞をいただ き、来賓紹介、祝電披露のあと、受賞者を代表して、中山きみ子 さん(小樽身体障害者福祉協会)より「受賞者を代表いたしまして、お礼のご挨拶を申し上げます。私たち受賞者一同は、今回の受賞を励みとし、これからも、なお一層精進し、身体障害者福祉発展のため、尽力貢献して参りたいと存じます。」と謝辞を述べられました。
●アトラクション
  「箏咲楽(ことさくら)と仲間たち」による、琴の演奏が、フラの踊りと共に披露され、会場は大きな拍手に包まれました。
●講演
  NPO法人ホップ障害者地域生活支援センター代表 竹田 保(たけだ たもつ)氏より「社会福祉の歴史、障がい者権利条約批准」などについて講演をしていただきました。
●全体会議
  議長団の佐藤 秀臣(北身協副会長)、工藤 隆史(くどう たかし)北身協理事の進行により全体会議が開催されました。
  泉 司(いずみ つかさ)北身協常務理事より第64回大会処理報告が行われ、了承されました。
  続いて提出議案の審議が行 われ、議長より「大会推進委員会でさらに協議し、要望としてまとめたい」と説明がありました。
●大会宣言案・採択
 今 順子(こん じゅんこ)理事から大会宣言(案)を読み上げられ、提案通り採択されました。
●大会決議案・採択
  藤田 孝太郎(ふじた こうたろう)理事)により大会決議(案)が読み上げられ、提案通り採択されました。
●次期開催地挨拶
  議長団退任後、次期開催地である石狩市保健福祉課障がい支援課課長 石倉 衛(いしくら まもる)様より挨拶がありました。
●閉会のことば
  最後に副大会長 堂前 文男(どうまえ ふみお)北身協副会長から閉会の挨拶があり、第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会が終了しました。

   
 
   

  障がい者110番地方相談会の実施

 

  全道福祉大会小樽大会会場において、札幌弁護士会所属 阿部 泰(あべ あきら)弁護士による無料法 律相談会が実施されました。

   
 
   

 【第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会宣言】

 

  障害者差別解消法施行の年、全道各地から参加した仲間たちとともに、第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会を盛大に開催することができた。
  北海道身体障害者福祉協会は創設以来、障がい者の人権と保護と地域社会での自立、社会参加の促進を求め、加盟団体と連携して活動を続けてきた。その成果として本年4月、すべての意見が取り入れられたものではないが、私たちが長年、求めてきた障害者差別解消法が施行された。
  障害者権利条約により、これまでの施策の客体とされてきた障がい者が権利の主体であることが明示され障害の考え方を医学モデルから社会モデルへと変え、障害を理由とした差別を禁止し、合理的配慮の提供を規定した障害者差別解消法の意義は大きい。同法をさらに周知し、障害理解の啓発促進のため、私たちは、それぞれが意識をもち、法律を地域へ広げ大きく育てていくことに努めなければならない。
  心を一つに、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」と掲げ、障害者権利条約を採択した誓いをあらたに、私たちは障がい当事者団体の責務として、地域間格差のない、着実な法整備の具現化を求めていく。
  今日、北海道身体障害者福祉協会に集結する私たち障がい者は全国の仲間とともに強い連携のもと、一致団結し行動することを誓い、ここに宣言する。
  平成28年9月25日
  第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会(原文を掲載いたしました)

   
 
   

 【第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会決議】

 

  一、 共生社会をめざし障害者権利条約を障がい者施策に実現させよう
  一、 すべての自治体に障がい者差別をなくすための条例を制定させよう
  一、 バリアフリー施策を一層充実させよう
  一、 地域相談支援体制に身体障害者相談員を活用させよう
  平成28年9月25日
  65回全道身体障害者福祉大会小樽大会(原文を掲載いたしました)

   
 
   

 第65回全道身体障害者福祉大会小樽大会における提出議案(要望事項)について

   ○ 障がい者等用駐車スペースの円滑な利用に関する要望について(胆振身体障害者福祉協会)
  本年4月より障害者差別解消法が施行されました。障がい当事者は、合理的配慮等がなされ、住みやすい地域づくりが推進されることを念願しております。そのような社会状況下で、既に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」により公共施設、大型商業施設、病院等には障がい者等用駐車スペースが設置されておりますが、障がい等がない人が駐車している不適切利用が横行しております。設置者も設置さえすれば良いとの風潮があり、不適正利用防止策は殆どとられていない現状があります。北海道として、各自治体や関係機関等に障がい者等用駐車スペースの必要性と障がい者の社会参加推進に対する啓蒙を宜しくお願い致します。
  平成18年に佐賀県が初めて導入し、全国に広がって現在は予定も含めて34府県市が行っているパーキングパーミット制度については、障がい者等用駐車スペースの不適正利用の防止等に有効であると思われますので、北海道においても早期に導入されるよう検討の程、宜しくお願い致します。

  (裏面につづく)

   
 
   
 
 
   
 

  コメント
  障がい者等用駐車スペースの適正利用の啓発については、これまで、テレビ放映や北海道広報誌への掲載、商業施設のデジタル看板や金融機関等にチラシを据え置くなどの取り組みを行ってきております。
  また、今年度からは、道内100以上の「コープさっぽろ」全店舗と札幌市内の「イオン」全19店舗、全道の運転免許試験場や免許更新センターにポスターなどを掲示し、多くの方々に適正利用を呼びかけております。
  なお、パーキングパーミット制度につきましては、導入県において、内部障がい者が駐車しやすくなる一方、乗降場所が必要な方がかえって駐車できないなどの問題が発生していることや、不適正利用が減少していないことなどの課題があり、制度導入については、慎重に検討しなければならないものと考えております。

 ○ 高速自動車道の障害者割引に関する件(登別身体障害者福祉協会)
 
再三・再四にわたり、要望させていただきます。当地には専門性の高い病院や治療の難しい病気等の診察が可能な病院がなく、札幌市内の専門病院まで通院している人が多くおります。
  自分の車を持っていない人も多く、高速道路割引の適用を受けた車両が1台に限定されていることで大変不便をきたしております。
  以前に何らかの事象により現行制度へ改められたようですが、今一度、障害者手帳を所持している人が同乗した車両を1台に限定せず複数台に緩和していただき、いつでも安心して遠距離通院が可能になるための、高速道路割引における適用範囲の拡大を、切望します。

  コメント
  現行、割引対象自動車は、障がい者1人につき1台と限定されておりますが、特に介護者が運転する場合、複数の介護者の協力を得て、それぞれが所有する自動車を利用して移動することがありますので、障がい者の方々の必要な外出や、より積極的な社会参加を促進するためにも、障がい者の手帳の提示等により確認するなど、複数の自動車を利用できるよう東日本高速道路株式会社北海道支社に要望しているところです。
  また、これらの適用範囲の拡大については、全国的な取組みが必要であることから、道としては、これまでも国に対し、関係機関に働きかけるよう要望してきたところであり、引き続き要望してまいりたいと考えております。

 ○ 配慮を必要としている方のための「ヘルプマーク」の普及に取り組んでください。
    (北海道身体障害者福祉協会)

  ヘルプマークとは援助が必要な方のためのマークです。
  現在、東京都や京都府をはじめヘルプマークを導入している自治体は予定も含めて12都府県市に上ります。
  このヘルプマークの目的は援助や配慮を必要としている方が身に着けることで、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです。
  義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない方がいます。
  外見では健康に見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な方がいます。また、外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目で見られ、ストレスを受けることがあります。
  交通機関の事故等、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な方や、立ち上がる、歩く、階段の昇降などの動作が困難な方がいます。
  視覚や聴覚に障害があり、状況把握が難しい方、肢体に障害があり、自力での迅速な非難が困難な方など様々な方がいます。
  そうした方々が、周囲の方の配慮を必要としていることを知らせることで、援助が得やすくなるよう、「ヘルプマーク」を作成し、普及に取り組んでください。

  コメント
  現道では、本年4月1日の「障害者差別解消法」の施行も踏まえ、内部障がいや難病をお持ちの方など、外見からは配慮が必要であることがわかりにくい方が、周囲の方々に配慮を必要としていることを知らせることで援助を得やすくなることは重要であると考えていることから、今後は、関係団体などのご意見も伺いながら、ヘルプマークの導入も含めた必要な取組について検討を進めてまいります。

   
 
   

  盲ろう者通訳・介助員派遣事業の利用について

    みなさまのご家族やご近所の視覚障がい者の中で、耳の聞こえが悪くなってきている人、あるいは聴覚障がい者の中で、目が見えなくなってきている人はいらっしゃいませんか。
  当協会では、在宅の視覚と聴覚に重複して障がいのある方(盲ろう者)に、コミュニケー ションや移動の支援を行う「通 訳・介助員派遣事業」を行って います。
  もし、身近に「盲ろう者」の方がおられましたら、この事業が通院や買い物などに利用できることをお伝えいただき、当協会にもご連絡をお願いいたしま す。
“利用料金は無料です”
  なお、事前に利用登録が必要 となりますので、手続き等は、 左記へお問合せください。
【問合せ先】
  〒060-0002
  札幌市中央区北二条西七丁目道民活動センタービル4階
  一般社団法人北海道身体障害者福祉協会
  電 話 : 011(251)1551   FAX : 011(251)0858


   
 
   

文芸

  俳句
 

豊浦町 斉藤 恵子(さいとう けいこ)
・ 月見草沖に返らぬ島の影
・ 広島忌語る夕べの無洗米
・ 雷(いかずち)や乾きし空を破りけり

下川町 平 義信(たいら よしのぶ)
・ 軸ものに些揺(さゆ)らぎもない土用中(どようなか)
・ 入道雲引きつ千切(ちぎ)れつ綿の菓子
・ 晴れあがるうどん祭や秋隣(あきどなり)

室蘭市 池内 満里子(いけうち まりこ)
・ 木道(もくどう)に渡り行(ゆ)く秋珊瑚草(あきさんごそう)
・ 灯竿(とうがん)の点滅早し秋の暮
・ 悔(くい)ひとつ男心と秋の空

  短歌
 

深川市 小泉 善次(こいずみ ぜんじ)
・ 枯草を踏分(ふみわけ)いたる古里に
      静けさのなかせせらぎの音
・ われ育(そだ)ち蛍の光窓の雪
      学(まな)び舎(や)消えて今は芒野(すすきの)
・ 我が友は何処(どこ)にいったか便(たよ)りなし
      瞬(またた)く星か流れる雲か

岩内町 山岸 清一(やまぎし せいいち)
・ 菊がよい母の口癖不随でも
      株分けしてありしを想う
・ 広辞苑紐解けず不随が
      めくる悔しさ重さに負け
・ いまになりツンドクだけの人生に
      意地を張っても不随のままよ

石狩市 伊藤 雍二(いとう やすじ)
・ 台風の被害報道続きおり
      被災者無念ただ祈るのみ
・ 泣き虫の愛ちゃんリオで銅メダル
      愛を育み幸せいっぱい
・ バーベルに有り難うネのあのしぐさ
      強さの中にやさしい乙女

室蘭市 渡部(わたなべ) 忠雄
念(たんねん)に肉と菜の具沢山(ぐだくさん)
      包んだ料得意の餃(ぎょうざ)
                        丹野 理子(たんの りこ)
・ 玄奘(げんじょう)のったロード経典(きょうてんぶ)
      求めて苦行(くぎょう)煌(とんこう)越えて
                        渡部 敦(わたなべ あつし)
共に互(たが)いに地元で(な)り立てけ
      今(いまどき)の子は都へ傾(かたむ)き
                        友成(ともなり) 時市(ともなり ときいち)
[太字部分がお名前になっております]

室蘭市 池内 満里子(いけうち まりこ)
・ 障害の道たどり来たリオパラリン
      くやしさバネに花咲くスポーツ
・ さびしさは海の中からきこえくる
      寄せ来る波に秋連れて来る
・ 風に揺れ花を零(こぼ)して白萩(しらはぎ)は
      小さな秋(あき)を私にくれる

 
 

文芸に投稿される方へのお願い(編集部からのお願い)
1)投稿はできるだけ新聞発行月の前月末までにお願いします。
2)作品には、短歌、俳句、川柳の区分も記入をお願いします。
3)一般読者が読みにくい漢字には必ずルビを付けていただきますようお願いいたします。
【宛先】
〒060-0002
札幌市中央区北2条西7丁目道民活動センタービル4階
一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会 宛
FAX:011(251)0858

 
 

【あとがき】
  第65回全道身体障害者福祉大会・小樽大会を盛大に終えて、新聞751号は特集としました。
 次号より、通常の紙面にてお伝えしてまいります。