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北海道身体障害者新聞(第718号)

   

 平成25年度盲ろう者通訳・介助員養成講座の開催

   【一般社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は、平成25年度の養成講座を札幌の道民活動センタービルにおいて、12月13日から15日までの3日間に亘って、開催しました。】
  この講座は北海道からの受託事業(盲ろう者通訳・介助員派遣事業)として実施しており、札幌盲ろう者福祉協会の全面協力を頂き、講座の開催をしております。
  今回は52名の応募者の中から全日程の受講と、派遣依頼の場合、平日及び土・日・祝祭日の活動可能な方と、地域性を考慮し、30名を決定し、最終的に28名でスタート致しました。
  講座の概略は次の通り。

 

★12月13日(金)
  10時からの開講式は北海道身体障害者福祉協会常務理事 泉 司(いずみ つかさ)より挨拶がありました。
一講目
  北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課から北海道の現状と派遣事業の詳細について縷々(るる)、説明がありました。
  午前最後は、札幌盲ろう者福祉協会 富樫 眞弓(とがし まゆみ)会長の「盲ろう者福祉概論」で6項目について細かな講義で午前を終了しました。
午後の部
  13時から「コミュニケーションの講義が1時間行われ、その後、「盲ろう疑似体験(全盲ろうのケース)」の実技が約3時間30分に亘り行われました。
  2人一組でペアを組み、盲ろう者役は、耳栓、アイマスク、ヘッドホン、疑似体験セットを着け全盲ろう状態となり、介助員役と室内移動、狭い処の歩行、椅子席を歩き、その後、ドアの通過を体験し、皆さん初めての体験で盲ろう者との関わりに苦労しておりましたが実技の時間はアットいう間に過ぎ受講生は初日からお疲れでした。

★12月14日(土)
一講目 「盲ろう者と点字」
  点字や指点字の必要な盲ろう者のため、基本となる点字の講義と携帯用点字器・ブリスタを使い実技指導がありました。
二講目 「盲ろう者と音声」
  音声通訳の必要性について、心構えと人口内耳等の講義がありました。
三講目 「盲ろう者と筆記」
  筆記通訳の知識と技術についての講義でした。
  12時50分からアイマスクを着けての食事実習です。
  盲状態で、弁当の中身が全く判らない中での食事に戸惑いながらの食事実習で、なかなか箸が進みません。その後、アイマスクをとった受講生の表情は何ともいえない安堵感がいっぱいでした。
午後から「盲ろう者と手話」の講義です。
  ろうベースの盲ろう者とのコミュニケーション方法の理解の講義で弱視手話、触手話について学びました。
  いよいよ実技です。14時40分から3時間の実技で「階段の昇降」「エレベーター」「ドアの通過」の実技でした。
  受講生は肉体的、精神的に前日同様疲れた表情でした。

★12月15日(日)
一講目 「盲ろう者として(体験発表)」
  札幌盲ろう者福祉協会の役員で、当事者のお二人から体験発表で受講生は直接、当事者から聞くのは初めての様で真剣な眼差しで聞き入っておりました。
二講目 「コミュニケーション実技」
  受講生を4グループに分けて手話・音声・筆記・蝕手話の実技指導を移動して2時間30分指導を受けました。
三講目 「通訳介助の実習」
  疑似体験セットを着けた盲ろう者役と、通訳・介助役を組み分けし、レスランでメニューから盲ろう者が食べたい品を選択し、食事、飲物を受付で注文するという多くの情報から盲ろう者が自分で判断・選択し、決定するのは盲ろう者自身であるという理解を深める実習でした。
  通訳・介助員役は多くの情報を盲ろう役に正確に手書きで伝達し、盲ろう役に決定してもらうことに皆さん悪戦苦闘しておりました。
四講目 「通訳・介助員として」
  3日間の講義、実技の中での通訳・介助員の在り方、盲ろう者に対する基本的姿勢と意識の持ち方についてまとめの話がありました。受講生はこの養成講座を通じて今後、通訳・介助員として北身協と札身協に夫々登録し、自己研鑚し、一人前になるという気概を感じました。
  その後、閉講式で、北身協常務理事 泉 司(いずみ つかさ)より閉講挨拶、札幌盲ろう者福祉協会 富樫 眞弓(とがし まゆみ)会長の激励の言葉があり、その後、受講生28名全員に修了証書が授与されました。

  最後に講師、受講生全員で集合写真を撮って3日間の講座・実技を無事終えて、受講生は、安堵感と、これからの通訳・介助員として自信に満ちた笑顔で帰路に着きました。

  今回の、講座・実技の講師を全面協力頂いた札幌盲ろう者福祉協会の皆様に、紙面を借りて感謝申し上げます。
  有難う御座います。そして、お疲れ様でした。
 
  平成26年は、通訳・介助員現任研修を10月に実施予定です。

 
 
 
   

 国の平成26年度障害保健福祉部予算案について

    厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部より平成26年度障害保健福祉部予算案の概要が提示されました。
 

★予算額
  26年度予算案   1兆5,019億円
  25年度予算額   1兆3,982億円     (対前年増減+1,037億円)
☆障害福祉サービス関係費
 (自立支援給付+地域生活支援事業)
  26年度予算案   9,534億円
  25年度予算額   8,689億円        (対前年増減+844億円)
★主な施策
◇良質な障害福祉サービス等の確保  9,534億円(+844億円)
  〇障害福祉サービス  9,072億円(+842億円)
  〇地域生活支援事業   462億円(+2億円)
◇障害者に対する良質かつ適切な医療の提供  2,217億円(+31億円)
◇障害福祉サービス提供体制の整備  30億円(▲22億円)
◇地域における障害児支援の推進   897億円(+226億円)
◇重度訪問介護などの利用促進に係る市町村支援事業  22億円(+-0億円)
◇認知行動療法の普及の推進           1億円(+-0億円)
◇自殺対策に取り組む民間団体への支援 1.3億円(+0・3億円)
◇障害福祉サービス事業所などの災害復旧経費(復興)  8億円(▲1・6億円)
◇被災地心のケア支援体制の整備(復興)  18億円(+-0億円)
※(復興)と記載のあるものは、【東日本大震災特別会計】計上項目

   
 
   

  北身協収益事業『北のチャレンジドショップ』の活用の御礼とお願い

 

  一般社団法人北海道身体障害者福祉協会は、収益事業の一つとして、インターネットにおいて「北のチャレンジドショップ」を立ち上げております。
  ショップオープン後、多くの皆様の活用して頂き、有難う御座いました。
  現在、商品を増やし、12アイテムとなっております。
  年末には、お蕎麦やうどんが大変多く売れました。
  詳細はインターネットで “北身協” と検索して下さい。

   
 

 平成25年度パソコン教室 登別市での開催について

 

  平成25年度登別市総合福祉センター「しんた21」で11月12日(火)から11月14日(木)の3日間で25名の参加を頂き、大変熱のこもったパソコン教室が開催されました。
  地元登別協会の、ご協力に紙面を借りて深謝申し上げます。
★主な実施内容
  ① 登別市主要機関の住所録の作成
  ② 血圧表の作り方及びグラフの添付方法について
  ③ ワードでの年賀状の作成

   
 

 平成25年度パソコン教室 帯広市での実施について

 

  平成25年度最後のパソコン教室が、11月27日(水)から11月29日(金)の3日間、帯広市のとかちプラザで開催されました。
  3日間で21名の参加を頂き、和やかで、中身の濃い充実した教室でした。
  地元帯広協会の、ご協力に紙面を借りて深謝申し上げます。
★主な実施内容
  ① エクセルによるハガキの作成(イラストを自由にアレンジする。)
  ② 収支書類の作成(文字列の揃え方計算式の計上方法)
  ③ 住所録の作成方法
  ④ 俳句とイラストの挿入

   
 
   

 病気の人も障がいがある人も、難治性疾患の女性、美瑛にペンション開業

    ユニバーサルデザインの旅の楽しさ
 

  「上川管内美瑛町に12月21日ペンションがオープンしました。千葉から移住した親子が、『うねうね畑とくもの月』という名前のペンションをオープンしました病気の人、健康な人、障がいのある人、健常な人、誰もが旅の楽しさ、自然の美しさを体験できる宿を目指している。」
  8年前に北海道旅行で美瑛に1泊した時、雄大な自然に感動さえぎし、雄大な自然、視界を遮るものがなく、自分を包んでくれる大地を感じ住みたいと思ったのがきっかけとなる。
  黒村桃子さんは母の操さんと二人で土地を借り、借金をして、木造2階建てペンションを建てた。
  多くの人が使いやすいユニバーサルデザインの工夫が随所に見られ、玄関までの手擦り付きスロープ、中には段差がなく、全て引き戸、トイレは車いすで利用可能な広さ、浴室も手動式リフトの設置。自慢は客室の窓、通常より低い位置で大きい。車いすに乗っていても、ベッドに寝転んだままで丘の風景や夜空の星が見えるようにしている。
  一帯はすでに銀世界。「ホッコリとできるペンションにしたい」という桃子さん。
  「美瑛から発信し、全国にこうした宿を拡げたい。全ての人が、ごく普通に、当たり前に交じわるようなユニバーサル社会の実現を目指したい。」と夢は大きく広がっております。

   
 
   

 盲ろう者通訳・介助員派遣事業の利用登録申請について

 

  あなたのご家族や周りに視覚と聴覚に重複して障がいのある方はいませんか。北海道身体障害者福祉協会では、このような方に対するコミュニケーションや移動等の支援を行う「盲ろう者通訳・介助員派遣事業」を無料で実施しております。
  是非、盲ろう者の方やご家族に、この事業を紹介して通院や買い物などで利用されるようにお伝え下さい。
  なお、事前に利用登録が必要となりますので、登録手続き等は、下記へお問合せ下さい。
  【問合せ先】
  一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会
  電 話 011―251―1551
  FAX  011―251―0858
  「ご連絡をお待ちしてます」
  あなたの自立と社会参加のお手伝いを致します。


   
 
   

文芸

  短歌
 

室蘭市 渡部 忠雄
に竹海を揃(そろ)えてのまくら
     (さち)の夢見る富士に鷹茄
                        (松野 幸子)
鳥鳴くの山桃源郷(とうげんきょう)
     エデやツジ浜茄も咲く
                        (小野寺カツ子)
く白鳥の姿大
     (すえ)広がりに(きち)呼ぶ如く
                        (髙橋 末吉)
(太字が姓名となっております)

室蘭市 池内満里子
忙しく師走(しわす)の風に追われつつ
     釣る(つる)瓶(べ)落としで暮れるはやさよ
賀状書き受けとる人の笑顔など
     思い浮かべて言葉をつづる
オリオンの輝く空を眺めつつ
     こわしたくないこのうつくしさ

  俳句
 

室蘭市 池内満里子
激動をいくつ抜け來(き)し除夜の鐘
船(せん)笛(てき)の鎮(しづ)みゆく海年明くる
綿虫の答へなき旅冬ざるる

滝川市 菅原 信子
冬枯(ふゆが)れや一色に染まり雪景色(ゆきげしき)
餅つきや愛の手入れてヨイショかな

 
 

文芸に投稿される方へのお願い
1)判読が難しい漢字には必ずルビを付して下さい。
2)作品には、短歌、俳句、川柳の区分も記入をお願いします。
3)投稿はできるだけ新聞発行月の前月末までにお願いします。
【宛先】
〒060-0002
札幌市中央区北2条西7丁目道民活動センタービル4階
一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会 宛

 
 

★訂正とお詫び
  本紙新年号において、以下の誤りがありました。訂正しお詫び申し上げます。
  2面「平成 25 年度網走地区 身体障害者スポーツ大会の開催」本文 10 行目
  誤:北見市ロータリー倶楽部
  正:北見西ロータリークラブ

  文芸  短歌の部
  作者の室蘭市 池内 満里 子さんのお名前が未記載でし たのでお詫び致します。