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北海道身体障害者新聞(第706号)

   

 今年度も最後の新たな要約筆記奉仕員が誕生

    一般社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は十二月十六日、札幌の道民活動センターにおいて開催した要約筆記奉仕員養成講座 (昨年八月十九日から日曜日に開催し、延べ十二日間、五十二時間にわたる養成講座)の全講座をを終了し所定のカリキュラムを修了した 十六名に修了証を授与致しました。概要は次の通り。
 

  当初十九名の受講生からスタートした本講座は最終日の十二月十六日、十六名の受講生に修了書が授与されました。
  最終日は、最後の講義・実習として受講生はOHPを使い一人ひとりが交代しながら要約筆記の実習をしました。
  午後からは現場実習「聞こえない立場からの検証」をテーマに北海道中途難失聴者協会、事務局長佐々木亜規子さん、要約筆記通訳ボランティアの会 「はまなす」講師による実技が行われました。
  続いて、「自己評価(読み手の評価をうける)」と題して、受講生全員から講座修了の感想と今後の抱負が発表されました。
  次にその一部を紹介します。
『午前の最終実技を緊張しながらも笑ってごまかしたであろう今日の自分を含めて振り返ってみます。
  「要約筆記」の何たるかを全く知らずに受講した訳ではなかったのですが、やはり奥が深く難しい。普段から一つの「目標」はおろか、「心掛け」ですら忘れがちなのに、はやく、正しく、 読みやすく、の三つを一度に要求される事で頭はパニックです。聞け!まとめろ!書け!遅れた!何て言ったっけ?おわり!?あーっ!そして誤字やら、単語を羅列しただけやらの意味不明 なロールは、達成感のないままスクリーンに写しだされて・・・・の繰り返し。どれだけ書けるかという事だけに夢中になりすぎて、読んで頂く作品になっていない事がよくわかりました。
  今後の課題として、文字を聞き取るのではなく、前後のある文章としてとらえ、出来るだけ話し手の使われた言葉で要約していく事を心がけたいと思います。そして、もう少しご指導を 頂き、経験を積む事が出来たら、一人前の奉仕員としての自覚が持てるかもしれません。』と。
また、
『この要約筆記奉仕員養成講座が、何たるやもわからないままに参加を申込み、今日修了式を迎えました。そして今、難聴者、中途失聴者の方の耳がわりになれるとは、思えない自分がいま す。講師の皆様の前で堂々と言うのは大変申し訳ないことです。
  でも初日から今日まで、「聞こえない」「聞こえづらい」というのは、どういう世界観なのかと考えない日はありません。もちろん答えなど出ていませんし、これからも考え続けます。 講座は実技の中で、実際に「聞きとりながら書く」中で、時々、ほめていただくと、嬉しくて「続けられるかも・・・」「続けていけれたら・・・」「続けたい・・・」と思うようになりました。
  続けていくためには多方面にわたり、知識と教養が必要であり、人とのコミュニケーションが、必須であると痛感させられました。   何とか勉強を続けて、要約筆記者試験受験までこぎつけたいと思います。講師の皆様、ありがとうございました。』など。   閉講式では、一般社団法人北海道身体障害者福祉協会赤坂勝会長代理で泉 司常務理事・事務局長から、主催者挨拶として受講者の皆さんの長期間にわたる受講の努力に敬意を表し、「これからは 中途難失聴者の耳となり各々の地域で要約筆記奉仕員としての活躍される事を願います。」と。また、講義・実習を担当された講師の方々へ謝辞があり、その後、受講生一人一人に修了証が授与されました。
  続いて、北海道中途難失聴者協会中西昭夫会長代理で佐々木亜規子事務局長の祝辞の後、講師を代表して要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」山 靖子代表から祝辞と激励の言葉があり、 最後に講師・受講生全員で集合写真を撮り閉講式を終えました。
  今後、修了者は要約筆記奉仕員の登録を経て夫々の地域で要約筆記サークル等に加入し、活躍が期待されます。
  今後は、厚労省からの通知で要約筆記者養成が都道府県での必須事業となる為、要約筆記奉仕員養成講座は本年度が最後となり、平成二十五年度は要約筆記者の受験に向け補習講習を実施すべく道及び各関 係団体と打合せ中です。

   
 
   

平成二十四年度第一回組織検討委員会・第二回理事会の開催

 

  「札幌の道民活動センタービル七階で午後一時三十分から第一回組織検討委員会及び第二回理事会が開催されました。」
  当日は赤坂会長を始めとして副会長、常務理事・理事・監事が十名参集致しました。
  過半数を超えた理事が出席し理事会の開催は有効であり、会長挨拶で赤坂勝会長より年末の多忙のなか、又悪天候にも関わらず出席に対し謝辞を述べられ、活発な議論・審議をお願い致しました。


  主な議事は次の通り
一、平成二十四年度上期事業報告
  ※泉 司事務局長より資料に基づき、種々の報告があり ました。
一、平成二十四年度東北・北海道ブロック身体障害者団体 長等連絡会議における決議 事項の報告
  ※日身連の役員改選に伴う理 事の選出 ※ブロック会長及び副会長の 選出   ※連絡会議の開催当番について   ※平成二十五年度日身連全国大会札幌大会の東北・北海道ブロック各団体の大会分 担金について 一、平成二十四年度日身連への北身協からの要望事項につ いて   ※パーキングパーミット制度の全国レベルでの施行・拡大に向けた運動と展開について 一、平成二十四年度にっしんれん収益事業等について   ※還付金については平成二十四年度定時総会決議により 収益金の全額を北身協に帰属の再確認を致しました。 一、その他   ※ 第五十八回全国大会北海道・札幌大会の進捗状況について   以上の議題について審議し全員の了承により組織検討委員会終了後、理事会が開催され、午後三時三十分終了致しました。

   
 
   
 
 
   

 厚生労働大臣表彰を称えて

 

 池端 慧氏(小樽市)が受賞

  【昨年十二月、厚生労働省において、平成二十四年度障害者自立更生者等厚生労働大臣表彰が行なわれ子北海道から小樽市の池端(いけはた) 慧(さとし)氏さんが自立更生者として表彰されました。 これまでの自立に向けたご尽力と社会貢献に対し深く敬意を表 しその人となりと歩みをご紹介 致します。】
 池端さんは、昭和三十九年、 二十歳の時、ベーチェット病から 視力を失い始め、昭和四十四年二十五歳で全盲となりました。
 昭和四十七年に北海道札幌高等 盲学校二部専攻科を卒業し、小 樽市内の治療院に一年半勤務し、 昭和五十年七月に治療院を現住 所で開業致しました。
 昭和四十七年に小樽視力障害者福祉協会(現小樽視覚害碍者福祉協 会)に入会後、昭和五十二年に役 員となり、平成五年四月から平 成九年三月まで体育部長、四月 から平成十五年三月まで副会長、 四月から会長に就任し、現在に 至っております。
 また、上部団体である小樽身 体障害者福祉協会の理事に平 成五年に就任。平成十五年に 副会長となり、現在も会長の補佐役として尽力しております。 またその間、北海道身体障害者 相談員として活躍し、平成九年 から平成二十年まで北海道視力障害者福祉連合会の青年協議会の副会長を歴任、小樽市が毎年開催の「障がい者週間」啓発事業ほほえみフエスタ実行委員会の副会長として尽力されました。 ご自身の職業関係では、昭和 六十一年に小樽鍼灸マッサージ師会に入会後、昭和六十三年に役員、 平成四年より副会長に就任。 スポーツ部門でも日本視覚障害 者卓球連盟北海道ブロック長を十年間勤め、現在も北海道担当当者として活躍しております。
 また、世界盲人マラソン・10㎞の部で二位に入賞するなどスポーツマンであります。
 文化面では、全道障害者芸術展で手工芸(籐工芸・陶芸・編み物等)の部で金賞、短歌で銀賞、俳句で銅賞に入賞等、多岐にわたり活躍され、また、民謡を楽しまれる趣味があり、常に前向き、温厚で人望厚く、会員 の皆さんから慕われている池端さんです。
 今後もお元気で活躍されることを祈念致します。

   
 
 

「すべてのしょうがい者が地域で夢を持って生きる社会」

 

  〜平成二 十四年十 二月八日 (土)、千 歳市民文 化ホール でロンド ンパラリ ンピック ボッチャ 日本代表 の秋元妙 美さんの 講演会と デモンス トレーションが行われ ました〜
 「平成二十四年度ふ れあい広場」事業とし てロンドンパラリンピ ックボッチャ日本代表の秋元 妙美(あきもと たえみ)さんの講演会が千歳市社会福祉協議会主催、千歳 身体障害者福祉協会共催で千歳 市民文化センターで午前十二時 から講演とデモンストレーショ ンが行われました。秋元さんは、2011年ボッチャワールドカップ、銀メダル、 2012年ロンドンパラリンピック、七位入賞と輝かしい成績でし た。
 秋元さんは、日本社会事 業大学社会福祉学部を卒業、社会福祉士の資格を持ち調布市で障害者の為の要職についております。
ボッチャとは
 ヨーロッパで生まれた重度 脳性麻痺者もしくわ同程度の 四肢重度機能障害者の為に考 案されたスポーツで、パラリ ンピックの正式種目です。
 ジャックボール(目標球) と呼ばれる白いボールに、 赤・青のカラーボールを六球 ずつを投げたり、転がしたり、 他のボールに当てたりして、 いかに近づけるかを競います。
 障害によりボールを投げることが出来なくても、勾配具(ランプス)を使い、自分の意思を介助者に伝えることが出来れば参加出来ます。
 その他、レクリエション ボッチャとして、子供から高齢者まで、障害のある方もない方も一緒に楽しめる 工夫がされています。


 
 
   

盲ろう者通訳・介助員派遣事業の利用登録申請について

 

   あなたのご家族や周りに視覚と聴覚に重複して障害のある方はいませんか。北海道身体障害 者福祉協会では、このような方に対するコミュニケ―ションや移動等の支援を行う「盲ろう者通訳・介助員派遣事業」を無料で実施しております。
 是非、盲ろう者の方やご家族 に、この事業を紹介して通院や買い物などで利用されるように お伝え下さい。
 なお、事前に利用登録が必要 となりますので、登録手続きなどはお問合せ下さい。
 【問合せ先】
 一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会
 電 話 011-251-1551
 FAX 011-251-0858
 先ず、ご連絡下さい。 あなたの自立と社会参加の お手伝いをします

 
 

新規入会・会員募集中

    北海道身体障害者福祉協会並びに各市町村身体障害者福祉協会を取り巻く環境は、年々大変厳しいものがあり、会員の高齢化、減少傾向は各 協会の大きな悩みの一つで、手をこまねいていては状況は悪化する一方であり事業に取り組み、会を活性化し、会員加入を各協会が一丸となって積極的に継続して働きかける努力が必要です。
 既存会員で会員となってい ない障害者の方が近くにおられま したら是非とも入会の勧誘を積極 的に働きかけて頂き、会員増に向 けて地元の各市町村協会と一致となって行動するよう、紙面を借り てお願い申し上げます。

「問合せ先」
  地元の各市町村身体障害者福祉協会、又は
  札幌市北2条西7丁目道民活動センタービル4階
  一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会
  電 話 011-251-1551
  F A X 011-251-0858
 
 
   

■困りごと、悩みごとは「障がい者110番」へ■

 

 「札幌市を除く全道各地にお住まいの障がい者及びその家族の方」
 電話  011-252-1233
 Fax   011-252-1235

 
 
 

文芸

  短歌
 

室蘭市 渡部 忠雄
(すげ)笠(かさ)で尾花(おばな)野(の)(はら)で鼓(こ)踊(おど)りは
     優に映(は)えて(とも)呼ぶ囃(はや)(し)
夜嵐過ぎてや今朝の野
     (てん)雅(が)に映える撫(こ)の花
(み)産(やげ)手に小雪降りてる路を
     (きよ)しこの夜に讃歌きこゆ

室蘭市 池内 満里子
新春の風に夢乗せ届けたい
     蕾(つぼみ)も開くよ平和な花が
手に拾う落葉の音のはかなさは
     今年の命の終わりを告げる
荒れる日もタンカー舟の入港が
     二年後に終え寂(さ)び行く港

滝上町 清水 美智江
「幸せか」問はるれば即「はい」
     といふ睦月の空に双手を上げて
書きては消すこの2Bの鉛筆よ
     手を痛むわれのかたへに温し
滑るなよ転ぶなよつぶやきつつ
     健やかにハンドルを凍てつく街へ
鼻声の吾を案ずる子のありて
     病みてはならぬ呆けてはならぬと
ドラの音高くひびかせ発ちゆきし
     息子ははや停年なると
書手袋が片方無いとしょんぼりと
     帰り来姑に似て来し吾か

  俳句
 

岩見沢市 池田 敏雄
去年(こぞ)今年(ことし)手をとり取られ
     八十(やそ)路(じ)坂
雪しまくこの世の怒り
     そのままに

室蘭市 池内 満里子
初明り宇宙雫(しづく)の彩(いろ)を染め
簪(かんざし)の揺れ成人式の前祝
無人駅遠のく灯(あかり)や大晦日(おおみそか)

 
 

文芸に投稿される方へのお願い
1)判読が難しい漢字には必ずルビを付して下さい。
2)作品には、短歌、俳句、川柳の区分も記入をお願いします。
3)投稿はできるだけ新聞発行月の前月末までにお願いします。
【宛先】
〒060-0002
札幌市中央区北2条西7丁目道民活動センタービル4階
一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会 宛

 
 
   

■平成二十四年度盲ろう者通訳・介助員現任研修■

 

  平成二十五年二月十九日(火)・二十二日(水)に現任研修を開催予定となっております。
カリキュラム等詳細については現在打合せ中で決定次第ご案内致します。