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北海道身体障害者新聞(第694号)

   

今年度も新たな要約筆記奉仕員が誕生

  北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は十二月十七日、札幌の
道民活動活動センターを会場に開催した要約筆記奉仕員養成講座
(昨年八月二十八日から土曜日に開催し、延べ十二日間、五十二時間に
わたる養成講座)の全講座を終了し所定のカリキュラムを修了した五名に
修了証を授与した。概要は次の通り。
 
 

 当初七名の受講生からスタートした本講座も最終日の十二月十七日に五名の受講生が最後の
講義・実習として午前は北海道保健福祉部福祉局障害者保健福祉課の中村秀子手話通訳者から
「災害支援について考える」をテーマに実際に東北大震災の支援活動に参加した実体験に基づ
く講義があり、受講者はOHPを使って一人一人が交代しながら実習しました。
 午後からは現場実習「聞こえない立場からの検証」をテーマに要約筆記通訳ボランティアの
会「はまなす」講師による最後の実技が行われました。
 続いて「自己評価(読み手の評価をうける)」と題して、受講生全員から講座修了の感想と
今後の抱負が発表されました。
 次にその一部を紹介します。『講座を終了するにあたり、自己評価を行うのは大変難しいと
感じています。なぜなら要約筆記は聴覚障害者のためのものであり、評価は聴覚障害者の方々
にしていただく必要があるからです。あえて評価するならば、この考えが受講の成果であると
思います。
 今後も要約筆記者として活動を続け、情報保障を受ける方々の意見に耳を傾けることを忘れ
ず、技術向上に努めます。
 また、要約筆記者の数が大変少ない事に不安を感じます。自分一人がいくら取り組んでいて
も要約筆記者の数も、提供の場も増えません。この課題に取り組めるよう、要約筆記技術と共
に考えていきたいです。
 最後に、中途難失聴者の事も要約筆記の事もまだまだ認知が低いと思われます。要約筆記が
当たり前のように誰もが知る「通訳」になる日が早く訪れるよう、活動を続けます。
 講師の皆さん、運営に携わった皆さん、本当に有難う御座いました。』、と『八月から始まった
要約筆記奉仕員養成講座もいよいよ終りとなり、季節も夏から冬へと変わりました。講師の
方々には長い間、熱心に御指導頂きまして、感謝申し上げます。
幸いにも仲間にも恵まれ大変ながらも、楽しく通うことが出来ました。
 要約筆記は瞬時に聴く、要約する、書く、を行います。更に速く、正しく、読みやすく、書かなければ
なりません。改めて漢字を書くことの難しさも痛感しました。一体脳のいくつの部分を一度に
使っているのでしょうか。初めての頃は本当に脳がしびれました。メビウスの会代表の
我妻さんが、ボランティアとは手話で表現されている通り、共に歩くというのがぴったりくるという
お話が印象に残りました。私も聴覚障害者の方々と共に歩んでいける要約筆記奉仕員を
目指して行きたいと思います。』など。
 その後、閉講式が行われ赤坂勝会長から、主催者挨拶として受講者の皆さんの努力に敬意を
表し「これからは中途難失聴者の耳となって、障害者の社会参加を推進する地域の要約筆記奉仕員
として活躍される事を願っている。」と、また、講義や実習を担当された講師の方々へ感謝の
挨拶の後、受講生一人一人に修了証が授与されました。
 続いて、来賓の北海道中途難失聴者協会会長、中西昭夫さんから修了者の方々に感謝を述べ
た後、「これからは、中途難失聴者のために地域の要約筆記サークルなどに参加され自己研鑚される様
願っております。」と祝辞がありました。
 最後に講師を代表して要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の山靖子代表から祝辞と激励の
言葉が有り閉講式を終えました。
 今後、修了者は要約筆記奉仕員の登録手続きを経てそれぞれの地域での活躍が期待されます。
 

厚生労働大臣表彰を称えて

  ★斎藤良弘さん(小樽市)が受賞★
 

【昨年十二月七日、厚生労働省において、平成二十三年度障害者、自立更生者等 厚生労働大臣表彰が
行われ、北海道から小樽市の斎藤良弘さん(七十六歳)が 自立更生者として表彰されました。
 これまでの自立に向けたご尽力と社会的貢献に深く敬意を表します。】
 斎藤さんは大正十年八月、小樽市で生まれ、昭和二十九年、原因不明により視力を失う。
昭 和三十七年、北海道盲学校高等 科を卒業するが更なる上を目指して専攻科へ進学し二年後に
無事卒業、同年あんま・鍼灸師の免許を取得し、小樽市稲穂にて治療院を開業しました。
 その後、昭和三十九年に小樽盲人協会(現小樽視覚障害者福祉協会)へ入会。昭和四十八年〜
平成十六年迄の間、青年部長、音楽部長、広報部長など役員として協会に貢献してきました。
 又、平成九年「えんの会」会長に就任、円満・良縁・公園の三つが名前の由来となったこの会は
「障害者に優しい公園」を提唱し、公園の改修や新設の際には障害者が利用しやすい公園を
求める運動をしております。
 この団体は平成十年十二月九日の北海道新聞にも掲載され、規模は縮小しましたが現在も
活動しております。
 平成十五年脳腫瘍を患い手術、その後、回復し、現在も治療院を続け、仕事の傍ら協会の
行事や身体障害者福祉センターで開催しているデイサービスの様々な教室にも積極的に参加し、
障害を克服し、前向きなその姿は他の模範と成っている斎藤さんです。
 これからもお元気で活躍される事を祈念致します。
 

■困りごと、悩みごとは「障がい者一一〇番」へ■

  ★電話011―252―1233★
★FAX011―252―1235★
 
 
 
社会保障改革の素案固まる/介護給付金は総報酬割
  【政府は十二月二十日、社会保障と税制の一体改革関係五大臣会合を 開き、社会保障部分の素案を固めた。政府は消費税率の引き上げ幅や時期などを早急に詰め、二〇一二年の 通常国会に関連法案を提出する方針だ。】
 

 素案は十二月五日の野田首相の指示を受け、政府・民主党が調整した。民主党の社会保障と
税の一体改革調査会が十六日に了承し、総務、財務、厚労など関係五大臣が十二月二十日に
固めた。
 その内容は六月末にまとめた一体改革成案とほぼ同じで、消費税率の引き上げや給付の
抑制で捻出した財源を社会保障の重点事項に配分すること、医療・介護サービス提供体制の
効率化に向けて、病院・病床の機能分化、在宅医療の推進など「基盤整備」の改革に踏み切る。
 なお政府は十二月二十一日、素案が描く姿の実現に向け、十二年度の介護報酬改定をプラス
一・二%(在宅サービス一%、施設サービス〇・二%)障害福祉サービス等報酬改定をプラス
二・〇%診療報酬改定を〇・〇〇四%とすることを決めた。
 十一年度末で終わる介護職員処遇改善交付金の処遇改善効果を介護報酬で維持するには、
約二%のプラス改定が必要とされていた。政府は処遇改善効果を維持するとしているが、プラス
一・二%となった報酬の中で対応する事になる。
 

 
   

【平成二十三年度、パソコン教室全日程終了】

 

 北海道身体障害者福祉協会主催のパソコン教室は十一月の開 催を最後に本年度の全日程を
無事終了致しました。使用会場等 他、お世話になりました関係各 位に紙面をもって御礼申し上げ ます。
「実施日程」
★帯広
七月二十七日〜二十九日
★砂川
九月十二日〜十四
★石狩
十月二十四日〜二十六日
★岩見沢
十一月九日〜十一日
★登別
十一月十四日〜十六日

 
   

★新規入会、会員募集中★

 

 北海道身体障害者福祉協会は働ける障害者の雇用を促進し、又社会参加を支援するために
加盟団体、又は個人が行う事業に対して助成金を交付することにより障害者の自立に寄与する。
個人が行う事業として、
一、日本障害者福祉大会への参加支援
一、福祉機器、自助具の開発
 以上が個人の対象となります。
 北海道身体障害者福祉協会を取り巻く環境は大変厳しいものがあり、会員の高齢化、減少は
協会の悩みの一つであり、手をこまねいていては状況は悪化する一方であり、事業に取り組み、会を
活性化し、会員加入を働きかける努力が必要です。
 既存個人会員で会員となっていない障害者の方が近くにおられましたら是非とも入会の勧誘を
積極的に働きかけて頂き、会員増に向かい地元の協会と一丸となって行動するよう紙面を
もってお願い申し上げます。
「問合せ先」
 地元の障害者協会、又は、
 札幌市北二条西七丁目道民活動センタービル
 北海道身体障害者福祉協会
TEL011―251―1551
FAX011―251―0858

 
   

お詫びと訂正

 

第11回全国障害者スポーツ大会が10月22日から3日間山口県で行われ、
北海道代表として。 帯広身体障害者福祉協会の会員の森川章子さんは、
卓球を始めて約7年で全道大会の経験はありますが、全国大会は初出場。
「せめて一勝でもしたい」と思い出場。
結果、見事銅メダルに輝きました。
森川さんは週4日、高校の部活並みの練習量で継続が力と成る事を
改めて教えて頂きました。
来年は岐阜県で実施されますのでさらなるご活躍をお祈り致します。

   

【地域からのお便り】への投稿を募集しています

 

 「町村協会便り」は地域での元気な取り組みなどを伝える場です。
まだ投稿されていない町村協会の皆さんからのお便りや写真をお待ちしております。
どしどし投稿下さい。。

 
 

文芸

  俳句
 

恵庭市 西島 明
己が身も鈍色開戦日
目を瞠る魚に出刃研ぐ師走かな
老い背に即かず離れず冬日かな
 
室蘭市 池内 満里子
輝ける未来を信じ初日の出
平凡に生きるよろこび初明り
追憶は若き日の夢古日記


  短歌
 

釧路市 大道 恵美子
送迎のケアバス増えし街の中
         錆びしバス停乗客まばら
灰色の濃霧に包まれ橋を行く
         身の裡迄も湿りくるなり
前向きに話や歌の好きな友
         回復早くよろこびあへり


伊達市 古川 次子

かんたんに大根切るよに言わないで
         八十すぎても主婦の事情が
十一が三つ続きたる夜の満月に
         今年四どめの手術決めたり
息かけて曇るガラスに指先で
         書きては消しぬへのへのもへじ
帰りたいけども帰れぬ病む足で
         グチも書きたり病室のガラス戸
シュレッターにかけたき思いす
         手術痕十指に余る大小の傷痕


室蘭市 池内 満里子

友摘みし新年会に山ぶどう
         ワインとなりてグラスを満たす
初日の出家族の中に我が居て
         この幸せのつづくを祈る
人生に与えられたる椅子ならば
         車椅子乗り私は生きる


  川柳
 

北広島市 本多 司
昇り竜干支八回の幸重ね
札幌延伸新幹線のでかい夢
ダル放出日ハム奮起正念場
携帯のメル友元気励まされ
度か雪も足腰気張って春を待ち

江別市 戸原 寿夫
落人の里を抱きて山眠る
庭に出てそそくさもどる冬座敷
世に疎くなりて小春日和楽しみて
松風にまじる波音七五三

 
 

文芸に投稿される方へのお願い
1)判読が難しい漢字には必ずルビを付して下さい。
2)作品には、短歌、俳句、川柳の区分も記入をお願いします。
3)投稿はできるだけ新聞発行月の前月末までにお願いします。
【宛先】
〒060-0002
札幌市中央区北2条西7丁目道民活動センタービル4階
(社団)北海道身体障害者福祉協会 宛