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北海道身体障害者新聞(第688号)

   
北身協加盟団体事務局長・担当者会議
  〜加盟団体が一堂に会して協議〜
 

社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は六月二十三日、札幌市内の道民活動センタービルで
加盟団体事務局長・担当者会議(出席:三十一団体・三十四名)を開催した。
この会議は、年一回、この時期に開催しており、本年度に実施する事業説明の後、出席された方々から
忌憚のない質疑や意見が出されるなど北身協と加盟団体との貴重な意見交換の場となっている。
本年度は、赤坂会長と政田副会長が出席された。

概 要
最初に、開会に当たり、赤坂会長から全道各地から多くの方々の出席に謝意を述べ、東日本大地震、
福島の原発事故と日本経済の厳しい状況について触れられた後、「私たち障がい者にとって厳しい自立
支援法が平成二十五年から総合福祉法に変る。昨年六月に一次意見、十二月には第二次意見が出された。
国の障害者制度改革は粛々と進められていると聞くが、平成二十五年が大きな節目となる。
一方、私ども協会も財政が大変な状況となっている。地域においても協会を維持すること自体が
厳しくなっていると沢山の会長さんからお話を受けている。私ども協会が会員減少の中でどうしたら
五十一団体が生きていけるのか、福祉が行き渡ったということか、協会に加入するメリットは何か
という厳しい議論もある。私どもは過去六十年間、この協会で障がい者が当たり前に暮らせる社会の
実現に向け運動を続けてきた。障がい者が蔑視されたり、隔離されたこともあったが、そういう状況に
おかれていたものを一つ一つ運動しながら変え、今日に至っている。こういうことを若い障がい者の
方々にも御理解をいただきながら、もっともっと、まだまだ、一般の方と肩をならべて生きていける
社会を作るための役割が、私どもの協会にあるのではないか、と考える訳です。」と挨拶した。
その後、泉常務理事兼事務局長の進行で、各事業について担当からの説明の後、出席者から質疑を
求める形で進められた。
概要は次のとおり

【会議項目と主な内容】
▼加盟団体会の会費
本年度の会費は平成二十二年度の八割の額とし、一〜二年かけてて今後の会費算定基準を検討したい
旨の説明があった。
質疑等
@会員でない人の会費を払うことの認識などについて質疑があった。

▼障害者社会参加総合推進事業
本年度も実施する「障がい者一一〇番運営事業」、
「身体・知的障害者相談員等専門研修事業」、「要約筆記奉仕員養成事業」、
「身体・知的障害者生活訓練事業」、「ガイドヘルパーネットワーク事業」及び
「盲ろう者通訳・介助員派遣事業」(いずれも委託事業)の各事業について説明があった。
質疑等
@要約筆記奉仕員養成事業の地方開催について要望があった。
Aガイドヘルパー登録名簿が更新されていないことなどの質疑があった。

▼障害者対策推進事業
本年度も実施する「身体障がい者雇用促進・社会参加支援事業」、「北海道身体障害者新聞の発行」、
「北身協ホームページ」、「情報通信技術講習会開催事業」、「要約筆記奉仕員研究会並びに
要約筆記技術研修事業」(いずれも補助事業)の各事業について説明があった。

▼障害者社会参加推進センター事業
「障害者社会参加推進センター」の設置趣旨や「障害者社会参加推進協議会(専門部会)」
(いずれも補助事業)について説明があった。

▼協会独自事業など
「奨学金事業」、「JRジパング倶楽部」及び「福祉基金の廃止」について説明があった。

▼全道身体障害者福祉大会
本年度の千歳大会(九月二十三日)について開催要綱(案)により説明があった。来年度の
釧路大会は、九月二十二日、開催を予定。

▼加盟団体からの提出案件
「北身協の公益法人改革の方向性」、「東日本大震災の募金の使われ方」などについて提案され、
意見交換が行われた。

▼その他意見交換
収益事業に関する情報交換と参考意見として夕張大会での手話通訳者の確保の苦労事例が紹介された。

 
 
 
全道身体障害者福祉大会千歳大会
  第一回推進委員会を開催
 

六月二十八日、第六十回全道身体障害者福祉大会千歳大会第一回推進委員会
(委員長赤坂勝(北身協会長))が札幌市内の道民活動センタービルで開催された。
当日は政田副委員長(北身協副会長)が議長となって、本年度の全道福祉大会の開催要綱(案)、
大会次第(案)、大会スローガン(案)、大会決議(案)及び大会宣言(案)、大会役員、
役割分担などの大会運営事項の協議や北身協会長表彰受賞者の選考などが行われた。
主な概要は次のとおり。

大会日程
▼開催日
九月二十三日(金・祝日)
▼大会会場
千歳市民文化センター
千歳市北栄2丁目2ー11
▼大会日程
八時三〇分〜 受付
九時三〇分〜 開会式典及び表彰
一〇時四五分〜休憩
一〇時五五分〜アトラクション
一一時一五分〜講演
一二時一五時〜昼食・休憩
一三時一五分〜全体会議
一四時四五分〜大会終了
※弁護士による法律相談は一〇時三〇分から大会会場内で実施。
(事前相談受付中)

北海道身体障害者福祉協会
会長表彰受賞者(敬称略)

▼自立更生者推薦者三十七名から次の二十一名を選考
梶谷靖(渡島地区)、船橋忠夫(後志地区)、西方清徳(後志地区)、山岡敏幸(後志地区)、
南義男(胆振)、居壁吉夫(日高支庁)、川越幸雄(日高支庁)、木下清徳(日高支庁)、
番場精彦(十勝地区)、有田正勝(小樽市)、藤野侑子(小樽市)、村瀬清市(帯広市)、
吉田益良(帯広市)、橋本清三(北見市)、中野タエ(千歳市)、門脇淑英(千歳市)、
鳴海ミエ(千歳市)、舩塚トシ(千歳市)、藤田泰子(滝川市)、石川孝太郎(富良野市)、
高田正敏(石狩市)

▼援護功労者
推薦者二十五名から次の二十名を選考
齊藤貞三郎(渡島地区)、澤谷昭市(桧山地区)、松浦健一(上川地区)、君ヶ袋泰雄(宗谷地区)、
佐藤宗二郎(日高支庁)、稲村國男(日高支庁)、工藤キヨ子(十勝地区)、本田栄作(十勝地区)、
藤井友幸(十勝地区)、原光治(十勝地区)、大野實(十勝地区)、中野チエ子(帯広市)、
星加しげ子(帯広市)、折戸義明(帯広市)、秋山秀雄(名寄市)、堀井弘(千歳市)、
佐々木時子(歌志内市)、井上和正(富良野市)、成田了子(富良野市)、今順子(登別市)

 
 
   
■記事の訂正
 

先月号(六月二十五日号)の「北身協通常総会を開催」及び「日身連会長表彰の受賞を称えて」の記事中に
誤りがありましたので訂正するとともに、関係者に深くお詫びを申し上げます。

(正) 鹿野均
古泉敏雄
佐京信二
(誤) 鹿野等
古泉敏雄
左京信二
 
   

通常総会資料

 

通常総会資料 クリックすると拡大します。

 
   

「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の募集

 

北海道では、今年度も内閣府及び札幌市と共催し、七月一日から八月三十一日の間、体験作文及び
ポスターを募集している。募集テーマ、応募資格、募集方法、応募先など詳細は、
お住まいの総合振興局(振興局)保健環境部保健福祉室社会福祉課(札幌市にお住まいの方は札幌市)に
尋ねください。

■連絡先……北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課
電 話 011-204-5279
FAX 011-232-4068

 
   

パソコン教室の開催案内

 

本年度も次のとおり身体障がい者向けのパソコン教室(初心者が対象)を実施します。
希望者は北身協事務局まで。

▼開催日及び開催地
・7月27〜29日 帯広市
・9月12〜14日 砂川市
・10月24〜26日 石狩市
・11月9〜11日 岩見沢市
・11月14〜16日 登別市
▼定員
各会場とも十名程度
▼申込期日
開催日の二週前の週末まで
▼申込先(北身協事務局)
電 話 011-251-1551
FAX 011-251-0858

 
   

文 芸

  短 歌
 

室蘭市 池内満里子
逝き犬の名を呼ぶくせは治らずに
          寂しい夜は又呼んで見る
病窓のカーテン引いて仄暗い
          雲間より見る白い三ヶ月
原発に牛引かれゆく酪農家
          見送る家族のくやしい涙
震災の瓦礫の中に咲く桜
          復興照らせ灯りとなって
咲き満ちし八重桜見ても
          心憂し復興進まぬ被災地思う

伊達市 吉川次子
蓑になり笠になりしてくれし夫
          動脈硬化の両足手術
腰痛と思いての受診が脊椎の
          造影写真にふたつの空洞
人生は平らじゃないよ七転び
          八起き幾度も八十路に入りぬ
人生まさかの坂に惑いつつ
          互いに我慢の老老介護

  川 柳
 

北広島市 本多 司
抜き足の猫の目的夏来る
郭公や嶺に一朶の雲を置き
はまなすや嘗て灯台守の道
野地蔵の辻のその先恋蛍
紫陽花の碧冴えざえと星の夜
ソーランを舞ふ夏蝶も竜神も

恵庭市 西島 明
少しだけ寒紅さして手術室
踏む青やよもつひらさか夢の夢
世界から翔ぶ折鶴に花開く
喪の途を点す灯りの黄水仙
世界から翔ぶ折鶴に花開く
喪の途を点す灯りの黄水仙
世界から翔ぶ折鶴に花開く
よろこびを頒つ友あり草萌ゆる

  俳 句
 

恵庭市 西島 明
われ鍋の閉じ蓋出来ぬ後始末
火中の栗拾う夕張新市長
審査場所横綱燃える使命感
マルチ商法うっかり乗った泥の船
難聴に心通わすテレパシー
粘り腰投打噛み合うファイターズ
自己主張調子はずれの音符です
病にはひたすら医師の腕縋り
アナログテレビ未練残して旅支度
救急車命ドラマの二十四時

江別市 戸原寿夫
春愁を吹って飛ばしたる大津波
花文字の多きメール卒業期
人間に底力あり彼岸西風
雪解水ゆたかに町を流れ行く
舞ふことを楽しむ如く春の雪
今ありて大きな余震春の月
川風に顔をそむけて麦を踏む
春の雪見てゐるうちに紅茶冷め
本積みて使へぬ机春灯
桜坂別れの言葉間に合わぬ
人声の登りて来たり山つつじ
年ごとに庭を狭めるチューリップ
草笛のおもひおもひの音色かな
雨音のふたたび効かず黄砂振る
木の芽雨雷までもともないて
葉の色も朝日に包ふ山桜
明るさを残して行きし春時雨

 
   

受賞者からのお便り

 

平成二十二年度の短歌の部で年間優秀作品に選ばれた吉川次子さんから
喜びのお便りが届いていますので紹介します。

■短歌(伊達市吉川次子さん)
この度わたくしの短歌が優秀賞に、そして記念品を頂戴し身にすぎる光栄と感謝申し上げます。
丁度、手術の前日でした。驚きと嬉しさとで手術への不安も少しうすらぎました。続いて静脈瘤も
発症しこのような状態で、御礼状も遅くなり申し訳ございません。退院後の今も一日置きの点滴に
病院は休みでも救急外来での点滴です。
平成十五年に続いて二度目の受賞本当にありがとうございました。病にこもらないように、
ただひつとの趣味で時には「苦しみになり」休まずに詠み続けられればと思い乍ら。
選評の内田様ありがとうございました。「ありのまま」、「自然に」との教えを心に、
読み続けられればと思いながら。