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北海道身体障害者新聞(第687号)

   
北身協通常総会を開催
  〜法人改革の方針決定と新役員を改選〜
 

社)北海道身体障害者福祉協会(赤坂勝会長・加盟団体五十一団体)は五月十九日(木)、
札幌市内の道民活動センタービルで通常総会を開催した。
この総会では平成二十二年度事業報告、収支決算報告及び監査報告を審議するとともに、
平成二十三年度の事業計画案、収支予算案、会費算定基準の見直し、福祉基金特別会計の
廃止が提案され慎重に審議された。続いて公益法人改革に関する協会決議が行われたあと、
役員改選が行われた。概要等は次のとおり。

概 要
開会宣言のあと、出席者全員で東日本大震災で亡くなった方と物故者への黙祷が行われた。
次に、赤坂 勝会長から開会挨拶があり、今回の東日本大震災で亡くなられた方々や多くの
行方不明者へ哀悼の意を表された。その後、当協会が直面している大変に厳しい財政状況
へ対応するため新しい事務局長を選考したことや、地域の疲弊した状況や当協会への加盟
メリットについても言及しながら、「いまの社会は、障がい者にとってある意味で共生社会に
近くなりつつあるが、これは身体障害者福祉法ができて六十年の経過の中で、これまで当協会
が継続して取組んできた運動展開によって勝ち得たものであり、今後とも皆さん方からの
様々な意見をいただきながら、中央に或いは道へ或いは厚生労働省の方へ訴えていかなければ
ならないと考えている。いろいろと厳しい状況はあるが、精一杯リストラなどを促進して
この協会が永遠に生きていけるような体制を作っていきたい」と挨拶された。
 続いて来賓として出席いただいた坂本明彦様(北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課長)
及び鈴木諭様(日身連収益事業北海道地区担当所長)から御祝辞をいただきました。
 続く祝電披露の後、議長団が選出(名寄身体障害者福祉協会会長 木村喜代志さん、
恵庭身体障害者福祉協会会長 鹿野等さん)され、資格審査の報告のあと、議事録署名人が指名
(苫小牧身体障害者福祉協会会長 西田清吾さん、石狩身体障害者福祉協会会長 古泉敏夫さん)
され、予定されている議案と報告事項の審議が行われた。

▼審議結果
@議案一号から二号(平成二十二年度事業報告、決算報告及び監査報告)は、
 報告どおり承認された。
A議案三号から六号(平成二十三年度事業計画案、収支予算案、会費算定基準の見直し、
 福祉基金特別会計の廃止)は、提案どおり議決された。
B議案七号(公益法人改革に関する協会決議)は、提案どおり「当面、一般社団法人へ
 移行する」ことが決議された。
C議案八号(役員改選)は、事務局から法人改革を見据えて新役員は理事十名、監事二名
 の体制としたいとの提案が了承された後、役員の選任方法を決め、選考委員が選ばれ
 候補者を選考するなどの手続きを経て新役員が選出された。
 続いて会長、副会長、常務理事の互選が行われた。

▼その他報告事項
@千歳身体障害者福祉協会会長伊東ミツ子さんから本年九月二十三日(金)に開催する
 第六十回全道身体障害者福祉大会千歳大会へ大勢の方々が参加されるようPRが行われた。
A続いて、平成二十四年度第六十一回全道身体障害者福祉大会の開催地として予定している
 釧路身体障害者福祉協会会長瀧山征治さんから来年に向け開催準備を進め、大勢の皆さん方を
 迎えたい旨の報告があった。

 
 
 
平成二十三年度事業計画案
 

■基本方針
二十一年夏の政権交代において発足した「障がい者制度改革推進会議」は、今後の施策の
基本となる障害者基本法の改正に向けた意見を発表しましたが、政府から示された改正案
では障害者の定義を個人的問題ではなく社会的障壁との関係で捉えるとしたものの、
権利の主体としての位置づけは曖昧であり、不十分と言わざるを得ません。しかしながら、
共生社会実現への気運は高まりつつあると感じられる今、私たちは声を上げその実現を
働きかけていくことが求められています。さて、北身協を取り巻く環境は大変厳しくなって
います。会員の高齢化、減少は多くの協会の悩みです。手をこまねいていれば状況は悪化
する一方です。事業に取り組み、会を活性化し、会員加入を働きかける努力が必要です。
昨年度は課題とした法人改革への対応検討進みませんでしたか、時間的な制約もあり、
これを進めなければなりません。このような認識のもと北海道身体障害者福祉協会は、
一 加盟団体活性化のための事業支援(雇用促進・社会参加支援事業)の実施。
二 公益法人改革への対応検討
三 協会運営の基盤作りの検討(加盟団体の会費算定基準の検討)を進めるほか、
 以下の事業を実施します。

■事業概要
一 協会の適切な運営
 @総 会 五月十九日(木)
 A理事会 五月十八日(水)、三月中旬ほか
 B監事会 年一回のほか理事会への出席を求める。
 C全道大会推進委員会
  ・七月上旬(予定)
  ・十一月下旬(予定)
 D組織検討委員会
  ・年一回程度
 E加盟団体事務担当者会議
  ・六月二十三日(木)
二 第六十回全道身体障害者福祉大会千歳大会の開催
 @主催 北身協・千歳身障協会
 A共催 千歳市・千歳市社協
 B日時 九月二十三日(金)
 C会場 千歳市民文化センター
 D参加者 八〇〇人(予定)
 E内容 講演、要望事項の協議、大会宣言、大会決議、会長表彰、知事表彰
三 組織強化
 @組織検討委員会を開催し、今後の協会のあり方(特に新公益法人制度への対応)
  について検討協議
 A加盟団体事務担当者会議の開催(再掲)
四 自主財源の確保
五 啓発・広報と組織活動
 @機関紙(身障新聞)の発行
 Aホームページの充実
六 他組織との相互協力・連携
七 要約筆記奉仕員研究会議並びに要約筆記技術研修事業の実施(釧路市)
八 情報通信技術講習会等事業の実施
 @パソコン教室の開催
 Aパソコンボランティアの派遣
 Bパソコン貸与
九 身体障がい者雇用促進・社会参加支援事業)働ける障がい者の雇用を促進し又は
 社会参加を促進するために加盟団体又は個人が行う事業等に対して助成する。
(一)対象事業例
 @雇用促進を目的とした研修会、研究集会等、ハローワーク(職業安定所)との協議会、
  情報交換等、企業等訪問活動、就業のための相談活動。
 A健康管理、健康増進のための研修会等、スポーツ、運動、レクリエーションの活動又は
  講習会等、スポーツ、運動に必要な器具の購入。
 B全道規模の福祉大会及びスポーツ大会への参加支援、日本身体障害者福祉大会への
  参加支援。
 C福祉機器、自助具の開発
(二)参加予定 二十団体程度
十 北海道障害者社会参加推進センターの運営
(一)北海道障害者社会参加推進協議会の設置
 @各部会の開催 七月予定
 A総会の開催 二月予定
(二)委託事業の実施
 @障がい者一一〇番運営事業
 A生活訓練事業
 B要約筆記奉仕員養成事業
 Cガイドヘルパーネットワーク事業
 D身体障害者・知的障害者相談員等専門研修事業
  ・九月(予定)
 E盲ろう者通訳・介助員派遣事業
  ・養成講座(十一月予定)
  ・現任研修(三月予定)
十一 奨学金事業の推進
十二 福祉基金の運営(廃止)
十三 スポーツ大会への参加
※一般会計収支予算案は次号に掲載します。

 
 
   
北身協の公益法人改革は 「当面、一般社団へ」
 

公益法人改革については公益法人制度改革関連三法の施行により、移行期間の終了日
となる平成二十五年十一月末日までに新制度上の移行認定(認可)を受けなければ
ならないとされており、この間、何もしなかった場合や認定(認可)申請が認められ
なかった場合は、移行期間の終了日をもって自動的に解散となります。
北身協は、これまで組織検討委員会や理事会で法人改革への対応の検討を進めきて
いましたが、平成二十三年五月十八日(木)に開催された理事会で、この間の検討経過を
踏まえ、また、公益社団法人と一般社団法人の主な相違点、公益社団法人への移行認定の
主な基準や一般社団法人への移行認可について、行政書士(大関幹雄さん)に専門的な
説明を求めて審議した結果、当面の対応として「一般社団法人に移行する」との方針を
決議しました。また、この決議の結果を翌十九日(木)の通常総会の議案として提案し、
審議した結果、提案どおり承認されました。今後、北身協はこの「当面、一般社団法人へ」
という方針に基づき公益目的支出計画、定款変更の検討などに着手していくこととなります

 
   

北身協の新役員が決定

 

五月十九日(木)の通常総会で選任された新たな役員は次のとおりです (敬称略)

会 長  赤坂 勝(小樽・重任)
副会長  政田 一美(室蘭・重任)
 同   瀧山 征治(釧路・重任)
常務理事 泉 司(事務局・新任)
理 事  篠山 准子(宗谷地区・重任)
 同   澤田 秀雄(空知地区・重任)
 同   堂前 文男(胆振地区・重任)
 同   伊東ミツ子(千歳・新任)
 同   清藤 勲(北斗・新任)
 同   山本 克光(道視連・重任)
監 事  佐京 信二(滝川・重任)
 同   工藤 公人(砂川・新任)

 
 
赤坂 勝会長   坂本明彦課長
     
 
鈴木 諭所長   議長の木村喜代志さんと鹿野 等さん
     
   
通常総会に出席された皆さん    
 
   

着 任 の ご 挨 拶

  北海度保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課 課長 梅井治雄
 

この度、六月一日付けの人事異動により保健福祉部総務課政策調整担当課長から
障がい者保健福祉課長に命ぜられました。これまでと同様、皆様と連携を深めながら
障がい者施策の推進を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
私の障がい者福祉との出会いは、今から三十年以上前になりますが、昭和五十四年に、
重度身体障害者更生施設(当時)に指導員として採用されたことに始まり、
この障がい者保健福祉課での勤務も三度目となれます。
しかし、この課での勤務は十一年ぶりとなります。この間に障がい者福祉を巡る制度は
大きな変貌を遂げておりますので、新たに勉強しなければならない点も多く、
その意味でも初心に立ち返り、今後の職務に取り組んで参りたいと考えています。
さて、今年度、取り組まなければならない課題として、「第三期北海道障がい福祉計画」
の策定があります。「障害福祉計画」は、障害者自立支援法に基づき、障がい者が、
自立した日常生活及び社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービス、相談支援及び
地域生活支援事業の提供体制等の円滑な実施を確保する計画として策定するものです。
平成二十年に策定した第二期北海道障がい福祉計画(平成二十一〜二十三年度)は、
今年度に終期を迎えます。平成二十四年度〜平成二十六年度を計画期間とする新計画は、
この期間の障がい者福祉施策を推進する上での基本方針となりますので、障がい当時者や
関係団体の方々の御意見も十分に伺って策定しなければならないものと考えており、
皆様の御協力をお願いいたします。また、昨年四月に施行した「北海道障がい者条例」は、
全面施行後一年が経過しました。条例が目指す姿の実現は、まさに緒についたばかりで
課題も多いものと考えておりますが、引き続き、障がいのある方の権利擁護、
暮らしやすい地域づくり、働く障がい者の方々への応援などに積極的に取り組みたいと
考えております。会員の皆様、加盟団体の皆様には、引き続き一層の御理解、御協力を
いだきますようお願いします。

 
   

日身連会長表彰の受賞を称えて

 

第五十六回日本身体障害者福祉大会とやま大会が本年五月二十六日から二十七日の間、
富山県富山市で開催されたが、この大会で滝川身体障害者福祉協会会長左京信二さん
(七十七歳・(社)北海道身体障害者福祉協会監事)が栄えある日身連会長表彰を
受賞しました。おめでとうございます。これまでの功績に深く敬意を表しますとともに、
これからも滝川市並びに道内の身体障がい者の福祉の向上に向けご活躍されることを
お祈り申し上げます。


(佐京信二さんの主な経歴)
左京信二さんは、昭和二十九年に鉄道事故により両下肢切断し、
昭和六十一年、それまで勤務していた国鉄を退職。
その後の主な経歴は、昭和六十二年に滝川身体障害者福祉協会事務局長となり、
滝川市障害者相談員、デイサービス指導員、滝川市ノーマライゼーション推進委員会事務局次長、
北海道身体障害者相談員、滝川障害者団体連絡協議会事務局長、
滝川市ノーマライゼーション推進委員会事務局長、
空知管内身体障害者連合スポーツ振興協議会会長、北海道鉄道身障者協会会長などの
職を歴任し、本年五月から滝川身体障害者福祉協会会長に就任しています。
なお、平成九年から現在までの十四年間、(社)北海道身体障害者福祉協会監事として
会計監査や業務執行状況の監査を通じて道内の身体障がい者福祉の向上に尽力されています。

 
   
佐京信二さん    
 
   

日身連福祉大会とやま大会

  日本身体障害者福祉大会が、五月二十六日から二十七日の間、「必要な支援と情報保障を
被災障害者へ」と「地域ネットワークの構築を復興の第一歩に」を大会スローガンに、
全国から約三千五百名の参加を得て富山県で開催された。
大会初日は「障害者基本法の一部改正法案」の講演と「災害と障害者」を主なテーマに
政策協議が行われ、翌日は日身連会長表彰等の大会式典、大会決議等が行われた。
道内からは十一名が参加しました。
 
   

第一回理事会の開催概要

  北身協は、五月十八日(水)、道民活動センタービル(札幌市)で第一回理事会を
開催した。赤坂 勝会長から東日本大震災の被災者に対する義援金への取組みの
お礼があった後、議長となって、翌十九日(木)の通常総会に付議する各議案
@平成二十二年度事業報告、決算報告、監査報告、
A移行する法人(一般社団か公益社団か)の理事会としての決議、
B平成二十三年度事業計画、予算案の一部修正
について、審議した結果、提案どおり議決しました。
 
   

北見市内で弁護士無料相談

 

七月二十三日(土)十時三十分から北見市総合福祉会館ボランティア室で弁護士による
無料相談会が開催されます。この事業は地域の障がい者(身体、知的、精神障害者など)や
その家族等からの悩み事の相談に対応するため、弁護士が巡回して相談に応ずるものです。
この相談は事前予約が必要ですので、お気軽にご予約(相談)ください。

■予約先(障がい者一一〇番)
・電話 011-252-1233
・FAX 011-252-1235

今月は文芸欄を休みます

 
   
 
 

文 芸

  短 歌
 

伊達市 吉川 次子
乳のみ児もまじえ九人の四世代
            夢もいろいろ大どしの夜
妖精がどこかに隠れているような
           夜のビルの中庭怪しく光る
エヘン虫夫の喉に棲まうらし
           近頃ふきげん威張ってばかり

釧路市 松橋 幸子
未曾有の逃げる間も無き大津波に
           命奪われし方々を悼む
さまざまな花芽眺むる春の庭
           疲れぬ程度の草取があり

釧路町 大道恵美子
川沿ひの水面貯木場近き町
           津波警報消防車廻る
朽ちかけの護岸すれすれ流されくる
           丸太ぶつかりあふ音ぶきみ
翌朝は足痛むわれらタクシーに
           垂れど渋滞貝塚大橋
川辺りの低地に津波侵入し
           道路も橋も通行禁止
東北の町や人らさらひゆく
           自然の猛威身のすくみたる
連絡のとれぬ子(こ)達(たち)の無事祈り
           テレビニュースを涙して見入る
よきもせぬ巨大地震に大津波
           追い打ちかける原発事故ぞ
地震から想定外の事続く
           敗戦しらぬ民多き世に

   
  俳 句
 

恵庭市 西島  明
五萬基の墓の沈黙桜かな
嫁決まるの峡(かい)の一戸の鯉幟
北天の寂光となる花こぶし

釧路市 松橋 幸子
蕗の薹の煮味噌作りて保存する
「昭和の日」敗戦を告ぐ御声(みこえ)耳奥に

   
  川 柳
  北広島市 本多  司
サイタサイタ昭和さくらの耳朶が呼ぶ
スーパーのチラシ鋭い妻目線
万華鏡所詮この世は夢芝居
震災処理なすり合いでは済まされぬ
安全神話宙に舞い散る放射線
江別市  戸原 寿夫
春めくや鳥の切手のエアーメール
人の上にも人の声春の山
佛前にふるさとの香の新酒かな
吊り橋を引っぱり合って山眠る
着ぶくれの三人だけの終列車