文字を大きくする   普通にする   背景を黒にする   背景を白にする

北海道身体障害者新聞(683号)

   

厚生労働大臣表彰の受賞を称えて
〜山田榮子さん(小樽市)が大臣表彰を受賞〜

 

厚生労働大臣表彰の受賞を称えて〜山田榮子さん(小樽市)が大臣表彰を受賞〜

昨年12月3日、厚生労働省において平成22年度障害者自立更生等厚生労働大臣表彰が行われ、北海道から小樽市の山田榮子さん(81歳)が自立更生者として表彰されました。

これまでの自立に向けたご尽力と社会的な貢献に深く敬意を表しますとともに、今後もお元気に活躍されることをお祈り申し上げます。

山田榮子さんは昭和18年頃より視力が衰えはじめ、学校入学前に見えなくなりました。
このため小樽盲学校に進み、高等科のある北海道高等盲学校理療科専攻科に編入し、この間「あんま師、はり師、きゅう師」の資格を取得し、同校を優秀な成績で卒業(昭和34年)しました、その後、治療院を開業し、以来、現在までこの仕事を続け自立した生活を送ってきています。

また、昭和34年に小樽盲人協会(現在の小樽視覚障害者福祉協会)へ入会し、以来、役員として協会を支え、副会長を2期歴任したほか北海道障害者相談員も歴任し、現在は視覚協会の役員兼保健体育部長のほか、小樽身体障害者福祉協会の理事でもあります。

さらに、山田榮子さんは協会の活動にも意欲的で、行事には積極的に参加され、特にサウンドテーブルテニス(視覚障害者の卓球)の選手として、毎年、北海道障害者卓球競技大会に出場し、これまで全国大会にも出場したことのあるスポーツウーマンでもあります。その一方で、昭和53年に小原流生花教授免許を取得、また、詩吟は10段の腕前で、お花、詩吟を愛する女性的な一面も持つ温厚な方で、周りの多くの方々から慕われています。

 
 
 
男女差のある「障害等級」の見直し方針
 

国の労働政策審議会は1月17日、男女間で差を設けている労働者災害補償保険(労災保険)の「障害等級」について、差を解消する方向での厚生労働省の見直し方針を「妥当」とする答申を厚生労働大臣に行なった。
現在、省令改正の手続きが進められているの、概要をお知らせします。

【概要】
業務上の事故で、頭や顔、首といった「外貌(日常的に人目に付く部分、外見)」にやけどや傷跡などが残った場合、労災保険から「障害補償給付」が支給されます。
その際、「労働者災害補償保険法施行規則」に定める障害等級表に基づいて障害認定が行われますが、現行規定では、障害が同じ程度でも男性は女性より低く扱われることになっています。
この規定について、昨年6月、「男女の障害等級に5等級の差を設けていることは違憲」とする京都地裁判決が確定しました。
これを受けて省内で内部検討した結果を踏まえ、障害等級の男女差の解消などを内容とする「労働基準法施行規則及び労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」を作成し、同年12月6日に労働政策審議会に諮問していた。

厚生労働省では、今回の答申を踏まえ、速やかに省令改正に向け作業を行い、平成23年2月1日付けで改正省令を施行する予定です。

(改正案の内容)
1 障害等級の男女差の解消
現在、男女別となっている障害等級について、男性の等級を女性の等級に引き上げるかたちで改正し、障害の程度に応じ男女とも同一の等級として評価する。

2 障害等級の新設
医療技術の進展により、傷跡の程度を、相当程度軽減できる障害を、新設する「第9級」として評価する。
平成23年度障害保健福祉関係予算案
政府は、昨年12月24日の臨時閣議で、平成23年度予算案を決定した。
社会保障費の自然増もあり一般会計の総額は92兆4116億円(平成22年度当初予算と比べ1124億円増)と過去最大となった。
このうち社会保障関係費は28兆7079億円(1兆4393億円(5・3%)増)となり、政策的経費に当たる一般歳出(54兆780億円)に占める割合が53・1%と、2年連続、その割合が2分の1を超えた。
なお、平成23年度障害保健福祉関係予算案については、全体で1兆1815億円と、対前年度比613億円増(5・5%増)となった。

障害福祉関係予算案の主な内容は次のとおり。
【主な内容】
1 障害者の地域移行・地域生活支援のための緊急体制整備事業(特別枠100億円)
障害があっても自ら選んだ地域で暮らしていけるよう、施設や病院から地域移行や地域生活の支援を充実するため、次の事業を緊急的かつ総合的に行う。
@ 地域移行のための安心生活支援(10億円・新規)市町村で障害者が地域で安心して暮らすための地域支援策を盛り込んだプランを作成し、夜間も含めた緊急対応や緊急一時的な宿泊等の事業を面的に一体的に行う体制を整備するなど。
A 精神障害者アウトリーチ(訪問支援)推進事業(7億円・新規)
B 地域で暮らす場の整備促進(83億円)地域移行支援の核となるグループホーム・ケアホーム等の地域で暮らす「住まいの場」の整備、生活介護、自立訓練、就労移行支援等の「日中活動の場」の整備を推進する。

2 障害福祉サービスの確保、地域生活支援、精神障害者施策などの障害者支援の推進(1兆1791億円)の主なもの
@ 障害福祉サービス(6342億円)障害者等が地域で暮らすために必要なホームヘルプ、グループホーム、就労移行支援等の障害福祉サービスを計画的に確保する。
A 地域生活支援事業(一部特別枠)(445億円)特別枠の「地域移行のための安全生活支援」と併せて、地域生活支援事業について、市町村等における事業の着実な実施や定着を図る。
なお、重度の視覚障害者の移動支援は、「同行援護」として障害福祉サービスにおいて実施(10月施行)

3 その他
平成22年12月10日に公布された障害者自立支援法等の一部改正法(議員立法)のうち、「平成24年4月1日までの政令で定める日」の施行については、以下のとおり。
@ グループホーム・ケアホーム利用の際の助成
平成23年10月1日施行。
(利用者1人につき月1万円を上限(市町村民税課税世帯を除く))
A 同行援護(重度視覚障害者の移動支援)
平成23年10月1日施行。
B その他の事項
平成24年4月1日施行
盲ろう者通訳・介助員派遣事業の利用登録申請を受付中
あなたのご家族や周りに視覚と聴覚に重複して障がいのある方はいませんか。
北身協では、このような方に対するコミュニケーションや移動等の支援を行う「盲ろう者通訳・介助員派遣事業」を無料で行なっています。
是非、その盲ろう者の方やご家族に、この事業を紹介し通院や買物などで利用されるように伝えてください。
なお、事前に利用者登録が必要となりますので、登録手続きなどは北身協にお問い合わせください。

【問合せ先】
(社)北海道身体障害者福祉協会
電 話  011−251−1551
FAX  011−251−0858

 
   
日身連や北海道に要望書を提出
〜全道身体障害者福祉大会帯広大会の要望事項〜
 

(社)北海道身体障害者福祉協会は、昨年10月に開催された全道身体障害者福祉大会帯広大会で審議された要望事項について、12月7(火)に開催された同大会推進委員会の決定に基づき、1月25日(火)、日身連や北海道に要望書を提出した。

要望先及び要望事項は次のとおり。

■(社福)日本身体障害者団体連合会会長宛
1 重度障がいのため稼動できない障がい者にとって唯一の収入源である障害基礎年金の額は、生活保護法の最低生活費を大きく下回ります。
憲法が規定した健康で文化的な最低生活を保障するため、障害基礎年金を増額してください。

■北海道知事宛
1 近年、様々な施策のおかげで一般道民の障がい者に対する理解が進んできてはおりますが、未だ十分とは言えません。
健常者の皆さんに障がいの擬似体験をしていただくことで、障がいのある人と同じ目線に立つことができ、理解の促進ひいてはノーマライゼイション理念の促進が図られると考えます。
道民がそのような体験をする機会を、もっともっと増やしてください。
2 視覚障がい者にとって、目的の建物の近くにようやくたどり着けても、入り口を探し回ることによって事故を招く恐れもあります。
既に設置されている施設もありますが、事故防止の観点からも、今後、各公共施設等に音声誘導装置の設置を拡大してください。
3 身体障がい者で投票所に行くことのできない者には、一定の要件を満たしたときに、在宅投票が認められています。
単独では投票所へ行くことのできない視覚障がい者に対しても、同様の在宅投票(点字による投票を含む。)を認めてください。
4 視覚障がい者のガイドヘルパーの数が不足しており、私的な用事や土・日曜日や、夜間の外出に対応してもらえないことがあります。
視覚障がい者の外出を支援するため、ガイドヘルパーを増員してください。
5 車いす使用者にとって、コンビニエンスストアの入り口の段差、自動ドアでないこと、店内の狭さなどは利用の妨げになっています。
車いすでも利用しやすいよう改善を指導してください。
6 新しい手帳の番号を記載する欄が非常に小さく、タクシーの割引を受けるときなど、運転手から読めないと苦情を受けています。
番号記載欄をもっと大きくしてください。

 
   

「地デジチューナーの無償給付等」のお知らせ

 

 

総務省地デジチューナー支援実施センターでは、現在、経済的な理由で地上デジタル放送がまだ受信できない世帯に、地上デジタル放送簡易チューナーを無償給付するなどの支援を行なっています。
この支援の要件、内容、問合せ先などは次のとおりです。

1 市町村民税非課税世帯への支援
(1) 支援の要件(次の@とAの両方に該当することが必要)
@ 世帯全員が市町村民税(特別区民税含む。)非課税の措置を受けて
いる世帯。
A NHK放送受信料契約を締結する意思のある世帯。
(2) 支援内容(次の@とAの両方の支援を行います。)
@ 簡易なチューナー1台を無償給付。
A 設置・操作方法に関する電話サポート。
(3) 申込受付期限平成23年7月24日(日)まで(消印有効)
注 平成23年4月1日以降の申込みは、平成23年度予算の成立が前提です。
(4) 申込先・お問合せ先(総務省地デジチューナー支援実施センター)
ナビダイヤル 0570−023724
ファックス 043−302−0284
ナビダイヤルが利用できない場合 043−332−2525

2 NHK放送受信料全額免除世帯への支援
(1) 支援の要件(次の@とAの両方に該当することが必要。)
@ 次のいずれかの一に該当する世帯であること。
ア生活保護などの公的扶助を受けている世帯。
イ障がい者がいる世帯で、かつ、世帯全員が市町村民税非課税措
置を受けている世帯。
ウ社会福祉施設に入所されていて、自らテレビを持ち込んでいる世帯。
A NHK放送受信料全額免除の世帯
(2) 支援内容(次の@とAの両方の支援を行います。)
@ 簡易なチューナー1台の無償給付と設置工事。
A アンテナ、ケーブルテレビ、共同施設の改善についても支援。
(3) 申込受付期限平成23年7月24日(日)まで(消印有効)
注 平成23年4月1日以降の申込みは、平成23年度予算の成立が前提です。
(4) 申込先・お問合せ先(総務省地デジチューナー支援実施センター)
・ナビダイヤル 0570−033840
・ファックス 044−966−8719
・ナビダイヤルが利用できない場合 044−969−5425

【注意】悪徳商法にご注意ください!
この支援による簡易なチューナーの給付、アンテナ工事などに
ついて費用を請求することはありません。


 
   

◆◆北身協事務局人事◆◆

 

(1月31日付け)
退職 臨時書記 酒井渉(さかいわたる)
(2月7日付け)
採用 臨時書記 引地朋子(ひきちともこ)

 
文芸
 

短歌

 

由仁町 中嶋つぎ子
君造るすみれ模様の箸受けに 在りし日思ひそっと箸おく
中庭にホタル産れし「椿山荘(ちんざん)」の 光り舞ふたび歓声ありて
ホタル舞ふ光りまたたくこの世界 心癒せし「椿山荘(ちんざん)」の森

伊達市 吉川次子
二歳児に「オメレトゴジャマス」祝われつ 正月二日傘寿なれり
子よ孫よひ孫も来よと呼びかけて 夫は居眠るおせちを前に

室蘭市 池内満里子
風渡り聞こえる音は枯れ葉のみ 湖畔の日暮れ冬紅葉燃ゆ
行楽の足も途絶えし倶多楽湖 湖面は鎭かな眠りに入る
ガラス戸を真赤に染めし落日は 想い出させる孫十三回忌

釧路市 松橋幸子
正月に福寿草開くを楽しみて 今年も咲かせり独り居の窓辺
寒中に度々作る塩鮭の 粕汁美味しき汗ばみて食む

 
   
  俳句
 

恵庭市 西島明
暁のしばれ切り裂く寝台車 
満面を風に磨かれ雪だるま
アルパカの一生の村髭つらら

室蘭市 池内満里子
夫の眼の代りになれず初明り 
初鏡まだまだいけると紅を濃く
凍てつく夜街の灯誘い海眠る

釧路市 松橋幸子
初日の出惚けぬようにと掌を合わす
新年会嫁の車で送り迎え

 

 
   
  川柳
 

北広島市 本多司
われ鍋に綴じ蓋合わす箸二膳
大ジャンプしてやったりと踊る胸
税収は借金漬けの重い石
老兵は死なずと気張る小沢流
喜色満面愛の介護に手が温い

江別市 戸原寿夫
初夢のあとかたもなき梢かな
風花や声は言葉となりて消ゆ
春の暮この世の時間沖積す
水鳥の数ふへるたび増えてゐし
冬ぬくし村にかたまる同じ姓
読みざしの書を伏せてある炬燵かな
二人して真っ直ぐにゆく冬木立
お年玉包む孫ゐて曾孫ゐて
手水鉢静かにあふれる石蕗の花

 

 
   

■文芸に投稿される方へ(お願い)

  1 投稿は、できるだけ新聞発行月の前月末までに願います。
2 作品には、短歌、俳句、川柳の区分を記入願います。
3 一般読者が読みにくい漢字には、必ずルビを付すよう願います。
4 投稿は、葉書などのほか、FAXでも受け付けています。

【投稿先】新聞表面の発行人の宛先まで。