社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は昨年 12 月 18 日 ( 土 ) から 20 日 ( 月 ) の 3 日間、札幌市内の道民活動センタービルで盲ろう者通訳・介助員養成講座を開催した。
この講座は、昨年度から北海道からの受託事業(盲ろう者通訳・介助員派遣事業)として実施しており、盲ろう者のコミュニケーション手段と移動介助の知識・技術等の講習を行うことにより「通訳・介助員」を養成しています。
概要は次のとおり。
2 年目となる本年度は、昨年度の反省点なども踏まえながら、早めに広い会場を確保し、開催案内しながら準備を進めた。
その結果、受講者は札幌市内や近郊の方のほか、遠くは根室市、北見市、帯広市、乙部町、初山別村などからも多数参加を得て最終的には 34 名で開講した。
3 日間の養成講座は、
【 1 日目】
9 時 30 分から開講式が行われ、北海道身体障害者福祉協会 赤坂勝会長から開講の挨拶があった。
続いて日程に従って「盲ろう者福祉概論・コミュニケーション論」の講義があり、午後か
らは「盲ろう者として」と題して、 2 人の盲ろう当時者から体験発表があった。
その後、受講者全員が「盲ろう擬似体験」を行った。
この体験では 2 人がペアとなって、交互に盲ろう役(アイマスクを付け、かつ、耳栓とヘッドホーンを付けての盲ろう状態)となって、盲ろう者の世界を体験し、さらに盲ろう状態のままで目的地(トイレや自販機)まで行って戻ってくるまでの不安や通訳・介助役に求めたいことなどについて体験した。
また、通訳・介助員役となって、盲ろう役への介助の仕方やコミュニケーションの取り方などを体験した。
役割を交互に分担しながらの実習は、最初、戸惑いながらも、全員が、無事、終えることが出来た。
【 2 日目】
午前中は、盲ろう者と「手話」、「音声」及び「筆記」の各コミュニケーションについての講義が行われた後、昼休み時間は、受講者全員がアイマスクを付けた全盲状態で「食事実習」が行われた。
続いて午後からは、「触手話」、「弱視手話」、「筆記」及び「音声」ごとにグループ分けして「コミュニケーション実習」が行われ、盲ろう者の見え方、聞こえ方などにあったコミュニケーションの仕方を、全員が実習した。
【 3 日目(最終日)】
午前中は、「盲ろう者の移動介助」の実技と、「通訳・介助活動について」の講義を学び、
午後からは、この 2 日間で学んだ通訳・介助の総括的な学習として「通訳・介助の実習」が行われた。
この実習では、 2 度目となる盲ろう役と通訳・介助員役を 2 人ペアで、交互に体験しながら、全員が、盲ろう者に対する通訳・介助技術等を最終確認した。
続いて北海道(保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課北山浩之主任)から、「派遣事業について」と題して盲ろう者通訳・介助員派遣事業などの説明が行われた。
その後、閉講式が行われ、所定のカリキュラムを修了した 34 名全員に、北海道身体障害者福祉協会和田真一常務理事・事務局長から修了証が授与され、講義や実技を担当された講師の方々から温かい祝福を受けた。
34 名の修了者は、今後、盲ろう者通訳・介助員として、北海道身体障害者福祉協会又は札幌市(札幌市身体障害者福祉協会)に登録し、盲ろう者が病院や買い物などで外出するときの通訳・介助員として活躍することが期待されます。
最後に、この講座開催に全面的な協力をいただいた全国盲ろう者協会村岡美和さんと札幌盲ろう者福祉協会(会長富樫真弓)の皆さんには、この紙面を借りて改めて感謝を申し上げます。 |