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北海道身体障害者新聞(第682号)

   

盲ろう者通訳・介助員養成講座開催
〜新たに34名の通訳・介助員が誕生〜

 

社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は昨年 12 月 18 日 ( 土 ) から 20 日 ( 月 ) の 3 日間、札幌市内の道民活動センタービルで盲ろう者通訳・介助員養成講座を開催した。

この講座は、昨年度から北海道からの受託事業(盲ろう者通訳・介助員派遣事業)として実施しており、盲ろう者のコミュニケーション手段と移動介助の知識・技術等の講習を行うことにより「通訳・介助員」を養成しています。

概要は次のとおり。

2 年目となる本年度は、昨年度の反省点なども踏まえながら、早めに広い会場を確保し、開催案内しながら準備を進めた。

その結果、受講者は札幌市内や近郊の方のほか、遠くは根室市、北見市、帯広市、乙部町、初山別村などからも多数参加を得て最終的には 34 名で開講した。

3 日間の養成講座は、

【 1 日目】

9 時 30 分から開講式が行われ、北海道身体障害者福祉協会 赤坂勝会長から開講の挨拶があった。

続いて日程に従って「盲ろう者福祉概論・コミュニケーション論」の講義があり、午後か

らは「盲ろう者として」と題して、 2 人の盲ろう当時者から体験発表があった。

その後、受講者全員が「盲ろう擬似体験」を行った。

この体験では 2 人がペアとなって、交互に盲ろう役(アイマスクを付け、かつ、耳栓とヘッドホーンを付けての盲ろう状態)となって、盲ろう者の世界を体験し、さらに盲ろう状態のままで目的地(トイレや自販機)まで行って戻ってくるまでの不安や通訳・介助役に求めたいことなどについて体験した。

また、通訳・介助員役となって、盲ろう役への介助の仕方やコミュニケーションの取り方などを体験した。

役割を交互に分担しながらの実習は、最初、戸惑いながらも、全員が、無事、終えることが出来た。

【 2 日目】

午前中は、盲ろう者と「手話」、「音声」及び「筆記」の各コミュニケーションについての講義が行われた後、昼休み時間は、受講者全員がアイマスクを付けた全盲状態で「食事実習」が行われた。

続いて午後からは、「触手話」、「弱視手話」、「筆記」及び「音声」ごとにグループ分けして「コミュニケーション実習」が行われ、盲ろう者の見え方、聞こえ方などにあったコミュニケーションの仕方を、全員が実習した。

【 3 日目(最終日)】

午前中は、「盲ろう者の移動介助」の実技と、「通訳・介助活動について」の講義を学び、

午後からは、この 2 日間で学んだ通訳・介助の総括的な学習として「通訳・介助の実習」が行われた。

この実習では、 2 度目となる盲ろう役と通訳・介助員役を 2 人ペアで、交互に体験しながら、全員が、盲ろう者に対する通訳・介助技術等を最終確認した。

続いて北海道(保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課北山浩之主任)から、「派遣事業について」と題して盲ろう者通訳・介助員派遣事業などの説明が行われた。

その後、閉講式が行われ、所定のカリキュラムを修了した 34 名全員に、北海道身体障害者福祉協会和田真一常務理事・事務局長から修了証が授与され、講義や実技を担当された講師の方々から温かい祝福を受けた。

34 名の修了者は、今後、盲ろう者通訳・介助員として、北海道身体障害者福祉協会又は札幌市(札幌市身体障害者福祉協会)に登録し、盲ろう者が病院や買い物などで外出するときの通訳・介助員として活躍することが期待されます。

最後に、この講座開催に全面的な協力をいただいた全国盲ろう者協会村岡美和さんと札幌盲ろう者福祉協会(会長富樫真弓)の皆さんには、この紙面を借りて改めて感謝を申し上げます。

 
 
 
今年も新たな要約筆記奉仕員が誕生
〜平成22年度の養成講座が終わる〜
 

社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長赤坂勝)は、昨年 12 月 12 日、札幌市内の道民活動センタービルを会場に開催してきた要約筆記奉仕員養成講座(昨年 8 月 22 日から土曜日又は日曜日に開催し、延べ 12 日間・ 52 時間にわたる養成講座)の全講座を終了し、所定のカリキュラムを修了した 10 名に修了証を授与した。

概要は次のとおり。

講座最終日となった 12 月 12 日 ( 日 ) は、実技としての「現場実習」が行われ、午前中は、小林八重子さん(札幌市在宅福祉サービス協会中央ヘルパーセンター)による「聴覚障害者との関わりの中で支援の在り方を考える」と題した講演があり、受講者 1 人ひとりが交代しながらOHPを使って実習した。

午後からは、「他者評価(聞こえない立場からの検証)」をテーマに要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の講師による最後の実技が行われた。続いて「自己評価(読み手の評価を受ける)」と題して、受講者全員から講座修了の感想や今後の抱負などが発表された。

次にその一部を紹介します。

「中途難失聴者が抱えている苦悩や不安、情報保障の重要性、コミュニケーションの大切さ等に気づくことができました。

また、通訳技法も多種多様でTPOに合った技法で臨機応変に対応することが望ましいことも理解できた。

実習は想像以上に難しく「私には無理ではないか」と思う程でした。

しかし、一緒に受講している仲間から励まされながら最後まで頑張れました。」、「中失者の方々のご苦労されたことや辛い気持ちなどの話を聞いて、心を打たれ、私には想像できない世界で、自分はまだまだ努力が足りないと思いました。

これからは地元のサークルに入って勉強を続けようと思っています。」など。

その後、閉講式が行われ赤坂勝会長から、一人ひとりに修了証が授与され、続いてこれまでの間の受講者の努力に対して敬意を表したあと、「これからは「中途難失聴者の耳」となって、障がい者の社会参加を推進する地域の要約筆記奉仕員として活躍されることを願っている。」と、また、この講座の講義や実習を担当された講師の方々へ感謝とお礼の挨拶があった。

続いて来賓として出席された北海道中途難失聴者協会中西昭夫会長から修了者の方々に感謝を述べた後、「これからは中途難失聴者のために地域の要約筆記サークルなどに参加され自己研鑽に努められるようお願いします。」と祝辞があった。

最後に講師を代表して要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の山靖子代表から激励の言葉があった。

今後、修了者は、要約筆記奉仕員の登録手続きを経て、地域での活躍が期待されます。
 
   
全道大会帯広大会第2回推進委員会開催
 

12月7(火)、社団法人北海道身体障害者福祉協会(会長=赤坂勝)は、札幌市内の道民活動センターで全道身体障害者福祉大会帯広大会第2回推進委員会を開催し、帯広大会の全体総括や来年度の全道大会の日程等について協議した。
【概要】
▼第59回全道大会帯広大会
10月16日〜17日の2日間にわたり開催した全道大会帯広大会の式典・表彰式、講演、分科会の運営、全体会議の運営、法律相談及び決算報告の項目ごとに反省点や次年度に向けた改善などについて協議された。
なお、この推進委員会には阿部理事(帯広身体障害者福祉協会会長)の代理として高橋事務局長が出席され、大会運営の報告が行われた。
主な協議内容は、・受賞者が前面に並ぶことや黙祷時間を事前に決めて欲しいといったアンケート内容を協議。
・分科会を別々の会場で行ったため、みんなが分科会での具体的なやり取りが分からず「一本で行うべきであった」との意見が出された。
来年は開催日程との関連もあり検討課題とされた。
・収支決算は報告どおり承認。
・「採択案件の取扱い」は案件ごとに国や道などへ要望、継続検討、個別的案件のため要望を見送るなどの協議を行った。

なお、この採択案件は、事前に各加盟団体から提出があり、必要な検討が行われているが、一方、大会当日に会場提案を受けていることについて議論が行われた。
▼第60回全道大会千歳大会
・開催日程は、平成23年9月23日(金)(秋分の日)の1日開催を予定。
▼第61回全道大会の開催地
・釧路市で開催を予定。

 
   

障がい者制度改革推進会議「第二次意見」

 

平成 22 年 12 月 17 日、障がい者制度改革推進会議は、 29 回にわたる精力的な審議の結果、「第 2 次意見」をとりまとめ、当日、小川榮一議長から岡崎トミ子内閣府特命担当大臣(障がい者制度改革推進本部副本部長)に対し意見書を手渡した。

この「第 2 次意見」は先の第一次意見(平成 22 年 6 月)の方針に沿ってとりまとめられたもので、障害者基本法改正について、その趣旨・目的を「個性と人格を認め合うインクルーシブ社会の構築」、「障害概念を社会モデルへ転換、基本的人権を確認」及び「施策の実施状況を監視する機関の創設」として、約半年にわたって審議してきた。

また「障害の表記」については、「障害の表記に関する作業チーム」の報告を踏まえ、現時点における表記に関する考え方と今後の課題についてとりまとめた。

なお、今後、「障害者基本法」の改正法案は、 1 月からの推進会議で各省庁法制局と話合い、来年の通常国会に閣法として提出される予定としている。

(「第二次意見」概要中の言葉の注釈)

注1 インクルーシブ〜〔 inclusive 〕包括的な、すべてを含んだ、の意味。

注2 ユニバーサルデザイン〜〔 universal design 〕高齢であることや障害の有無などにかかわらず、すべての人が快適に利用できるように製品や建造物、生活空間などをデザインすること、の意味。


   
臨時総会で予算減額などを議決
 

北身協は昨年 12 月 21 日 ( 火 ) 、札幌市内で臨時総会を開催し、本年度予算額の補正について審議し、提案どおり議決した。

その概要は一般会計の道補助金の減額などで、昨年 9 月に実施された北海道監査委員による監査結果に基づく改善措置として行われた。

小規模作業所へ補助金交付

個別給付事業や地域活動支援センターなどへの移行が直ちにできない小規模作業所に対する経過的措置としての小規模作業所緊急支援事業補助金は、昨年 12 月末、次の作業所に交付されました。

○企業組合ウェルフェアグループ虹の光ひつじ工房(釧路市)

   

臨時総会で予算減額などを議決

 

公益財団法人北海道盲導犬協会では、本年度も、盲導犬宿泊体験セミナーを開催します。

▼日時 3 月 19 日 ( 土 ) 13 時 〜 10 日 ( 日 ) 14 時

▼会場    ( 財 ) 北海道盲導犬協会

住所 札幌市南区南 30 西 8

▼対象    視覚障害による身体障害者手帳を持つ 15 歳以上の方で、これまで盲導犬との生活を体験したことのない方と同伴の方

▼募集人員  7 名( 7 名を越える場合は選考します。)

▼参加費   2500 円

▼セミナーの内容

@盲導犬との体験歩行

A盲導犬の管理体験

B交流会

▼送迎    盲導犬協会最寄駅までの送迎が可能です。

▼締切日  2 月 20 日 ( 日 )

▼申込先・問合せ先

( 財 ) 北海道盲導犬協会

担当(西川)

電話  011-582-8222

FAX  011-582-7715

 
文芸
 

短歌

 

由仁町 中嶋つぎ子

幾年瀬の困難有りしこの生命 穏やか生きん明るく生きん
吾曾孫は這えば起きてともどかしき 思いに育ち一歳となり

釧路町 大道恵美子

歳月は体質かへると医者云えど はっきりしない冬空あをぐ
もろもろの哀感多きこの年を 湯舟に浸りしみじみ思ふ
もろもろのストレス背負ひ生くる世に 夢の欠片を持ちてゆきたし
エネルギーの使ひ過ぎなるや温暖化 拍車かけいる今年の猛暑
胸奥の煩悩いくつたち切れず 静もる暗に除夜の鐘聞く
倒産や盗難多き世をはねる 躍動ほしき卯年迎える

 
   
  俳句
 

恵庭市 西島明

後の世のひとつ悟りて木の葉髪
侘しさや小春日和の下手な嘘
涸れ切らぬ流れ一筋虎落笛

   
  川柳
 

北広島市 本多司

リハビリー奇遇仲間と話が弾み
介護士の愛の諸手に射す後光
伏魔殿バトルが尽きぬ国会座
兎小屋住んで馴染んだ三十年
雪山賛歌兎年跳べ跳べ好景気

江別市 戸原寿夫

ふるさとの水が育てし今年米
ほどほどと云ふこと忘れ濁り酒
ことのほか齢はすすみ秋すすむ
父と子と夢あり菊香る

 
   

■文芸に投稿される方へ(お願い)

 

1 投稿は、できるだけ新聞発行月の前月末までに願います。

2 作品には、短歌、俳句、川柳の区分を記入願います。

3 一般読者が読みにくい漢字には、必ずルビを付すよう願います。

4 投稿は、葉書などのほか、FAXでも受け付けています。

【投稿先】新聞表面の発行人の宛先まで