文字を大きくする   普通にする   背景を黒にする   背景を白にする

北海道身体障害者新聞 ( 第 680 号 )

   

人と環境にやさしい活力ある田園都市 帯広市で全道身体障害者福祉大会帯広大会を開催

   
   
 

( 社 ) 北海道身体障害者福祉協会及び ( 社 ) 帯広身体障害者福祉協会主催の「第59回全道身体障害者福祉大会帯広大会」が10月16日 ( 土 ) 〜17 日 ( 日 ) の2日間、全道各地か750名を超える方々の参加を得て、帯広市民文化ホールを会場に、盛大に開催された。

同大会は、この間、地元に設置した大会実行委員会が中心となって諸準備が進められ、当日は帯広市内の福祉関係団体やボランティアの方々に支えられ素晴らしい大会になった。

大会一日目

▼アトラクション

午後0時50分から、アトラクションとして、加藤流三弦会による津軽三味線演奏が豪華・盛大に披露され、見事な演奏に会場から大な拍手を受けた。

▼開会

本年度の全道大会は瀧山征治副大会長の開会宣言で開会した。

初めに主催者である赤坂勝大会長(北身協会長)から、全道各地から出席された大勢の皆さんに向け御礼を申し上げたあと、帯広協会の皆さんへ大会開催に向けた大変なご努力に対し謝辞があった。その後、本大会を支援、サポートしている福祉関係団体やボランティアの皆さんに向け感謝の言葉があった。続いて参加者全員に向け「どうぞ、この機会に皆さんが平素、心の中で思っていることを解禁していただいて、色々なご意見を活発に行なっていただきたい。そして明日の私ども障がい者の生き方というものを明確にしていただきたい。協会としても、本大会で議論されたことを踏まえ、役職員一丸となって英知を引き出し「共生社会」実現のために、皆様方へより多くの情報を発信し、福祉の後退にならぬよう努力と精力的な運動展開をしてまいりたい。」と挨拶した。

▼全体会議

続く全体会議には、瀧山征治副大会長が議長に選出され、会議が始まった。

助言者として出席した北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課地域支援グループ北山浩之主任 ( きたやまひろゆき ) が紹介され、その後、和田真一北身協事務局長から「第58回夕張大会要望事項処理報告」が行われた。

▼講演

続く、講演は、午後2時10分から医療法人社団博愛会理事長細川吉博様から「福祉と街づくり」と題して講演が行われた。

講演は、少年期での障がいのあるいとことの出会いからこれまでのご自身の経歴などを紹介しながら、また更別村と一緒に進めている事業を具体的に説明されながら、福祉を中心にした「街づくり」について熱く語った。

 

▼分科会

午後3時20分から総合・肢体・聴覚分科会(議長団=政田一美北身協副会長・堂前文男同理事)と視覚分科会(同=森正裕 ( もりまさひろ ) 道視連副会長・村瀬稔幸 ( むらせとしゆき ) 同理事)とに別れ、審議が行われた。

総合・肢体・聴覚分科会


事前に提出があった『@コンビニエンスストアのバリアフリー化、A繁華街における障が

い者用駐車スペース確保、B障害基礎年金の増額』に加え、会場から提案があった『@

月に 1 度でも相談を聞いてくれる訪問制度を作って欲しい。A65歳から障害基礎年金から普通の年金になるがその場合も増額して欲しい。B一般の人でも航空運賃が相当安く購入できるから障がい者の航空運賃も半額として欲しい。C会員減少が加速し高齢化していることから改善方策を考えて欲しい。』という要望事項について、審議が行われ、何れも提案通り、明日の全体会議に諮ることが決められた。その後、北身協和田事務局長が北海道から預かった要望事項に対するコメント要旨を読み上げ、分科会を終了した。

視覚分科会


事前に提出があった『@介護保険の認定項目を視力障がい者に合った内容に改善すること、A健常者に障がい擬似体験の機会を多く提供すること、B各公共施設等に音声による誘導装置を設置すること、C視覚障がい者にも在宅投票(点字投票を含む。)を認めること、Dガイドヘルパーの増員、E手押し式信号機付近の重点除雪』に加え、会場から提案があった『@新しい身体障害者手帳の記号番号を大きく印字して欲しい。』という要望事項について、審議が行われ、何れも提案通り、明日の全体会議で要望することが決められた。その後、助言者(北山主任)から要望事項に対するコメントがあり、分科会が終了した。

▼障がい者110番法律相談

午後1時から「障がい者110番法律相談室」が開設され、札幌弁護士会所属の水沼功 ( みずぬまいさお ) 弁護士による相談が行われた。

この相談には、生活保護受給中の通院等のための自家用者使用の相談などが寄せられた。

大会2日目

▼全体会議

2日目の大会は、初めに各分科会議長団から前日の審議結果が報告され、何れも異議なく採択となり、取り扱いについては、推進委員会で検討のうえ要望することが決められた。続いて、大会宣言(案)が佐藤芳太郎運営委員から、また、大会決議(案)が篠山准子運営委員から提案され、満場の拍手で採択された。

(大会宣言)裏面に掲載。

(大会決議)裏面に掲載

 

 

 

▼式典及び表彰式

午前10時30分から阿部利雄 ( あべとしお ) 副大会長(代理帯広協会吉澤一廣 ( よしざわかずひろ ) 副会長)の開式のことばで式典が開幕した。続いて、全員で国歌斉唱、黙祷を行った後、主催者として赤坂勝大会長から受賞者の方々へのお祝いと感謝の言葉があり、その後、「協会としても、本大会で昨日から議論されたことを踏まえ、今後の協会のあり方というものも、今一度、検討していかなければならないのではないかと考えています。

いずれにしても、みんなで「共生社会」を実現するため、皆様方と是非、一緒に運動、勉強していきたい。」と挨拶があった。

続いて、米沢則寿 ( よねざわのりひさ ) 帯広市長から歓迎挨拶があった。

その後、表彰式が行われ竹林孝 ( たけばやしたかし ) 十勝総合振興局長から北海道善行賞(知事表彰)の自立更生者4名と自立更生援護者3名に表彰状と記念品が、続いて赤坂勝会長から会長表彰の自立更生者5名と援護功労者18名に表彰状と記念品が贈られた。

続いて、祝辞が高橋はるみ北海道知事(代理竹林孝十勝総合振興局長)、石井孝一 ( いしいこういち ) 北海道議会議長(代理三津丈夫 ( みつたけお ) 北海道議会議員)、石井啓裕 ( いしいひろやす ) 帯広市議会議長(代理安田正雄 ( やすだまさお ) 市議会副議長)から、それぞれ行われ、その後、来賓紹介と祝電披露が行われ、最後に受賞者を代表して谷口吉春 ( やぐちよしはる ) 氏(帯広市)から「私たちの自立更生活動や援護活動が認められ表彰を受けたことは、身に余る光栄であり、皆様方のご支援のお陰と心から感謝します。

これからも障がい者の福祉の向上のため、なお一層の精進を重ねてまいります。」と謝辞が述べられた。

▼次期開催地あいさつ

続いて次期開催地の千歳身体障害者福祉協会伊東ミツ子会長から、還暦の第60回目となる来年は、是非、千歳市に来ていただきたいと挨拶があった。

▼万歳三唱・閉会

その後、帯広市社会福祉協議会若林宣龍 ( わかばやしせんりゅう ) 会長の万歳三唱があり、最後に政田一美副大会長の閉会のことばで、第59回全道身体障害者福祉大会の全日程が終了した。

 
第59回全道身体障害者福祉大会帯広大会宣言
 

十勝平野の中心にある田園都市、澄み切った青空、豊かな緑、きれいな水を守り、低炭素

社会の実現に向け先駆的な取組みを進める環境モデル都市でもあるここ帯広市において、

第59回全道身体障害者福祉大会を、多くの方々の協力のもとに開催できたことは大きな喜びです。

北海道は、いわゆる「北海道障がい者条例」を制定しました。

障がいを理由とする差別や不利益な扱いを禁止するとともに、障がい者に対する虐待をも

禁止し、これらがあった場合にはその是正や改善指導を行うこととなりました。

国においては新政権のもと、「障がい者が当たり前に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活できる社会を作る」ために福祉制度の抜本的見直しに着手しました。

すなわち、障がい当時者を含む「障がい者制度改革推進会議」において、様々な課題について検討が進められており、「障がい者差別禁止法」、「障がい者虐待防止法」を制定する機運も高まっています。

いまこそ私たちは、どんな障がいがあろうとも、どんなに障がいが重くとも、社会の一員として迎えられ、その人の望む形の生活が保障されることを訴えます。

北海道身体障害者福祉協会に結集する私たちは、各障がい者団体や市民団体との連携を深めつつ、その実現のために行動することを誓い、宣言します。

平成22年10月17日

第59回全道身体障害者福祉大会帯広大会

 

大会決議

一 障害者権利条約批准に向けた国内法制の整備を要望する

一 施設から地域生活への基盤整備を要望する

一 障害者相談員制度の充実強化を要望する

一 障がい者の就労・雇用支援の拡充を要望する

一 所得保障の充実を要望する以上決議する。

平成22年10月17日

第59回全道身体障害者福祉大会帯広大会

 

「町村協会だより」への投稿を募集中
   
 

このコーナーは、町村協会の皆さんで作るコーナーです。

未だ投稿されてない町村協会の皆さんからのお便りや写真をお待ちしています。


町村協会だより 52 ‐A(網走地区滝上町) ? 親睦研修旅行の旅(前号からの続き) ?

前号に引き続き、網走地区滝上分会(小谷孝一分会長)の親睦研修旅行について紹介します。

前回のあらすじ

9月14日、身体障害者滝上分会の会員参加者23名の期待と楽しみに、一路、定山渓へと出発。途中、「滝野すずらん丘陵公園」を見学したり、ゆるやかな登り道を歩いて全景を満喫。午後4時には定山渓に到着。和やかに夕食の宴、賑かな宴会を終える。

旅行2日目は、今回の旅の第1の目的地「藻岩山慰霊碑」戦没者のお参りの墓誌の

前に立つ。激戦地沖縄で戦死したわが町出身者が41名祀られ、今回の旅行者の中には、血縁又は知人の名が刻まれていた。幾度も撫でさすって、現在の平和の礎となった方々に心から祈りを捧げた。昼食は「アサヒビール園」へ。

ほんのり頬を染めた人も皆で2時半には北海道庁及び赤レンガ記念館を見学です。

清水美知江さんの感想文(続)

総務課片山様の案内にて説明して頂き議場見学しました。この広い重々しい雰囲気の会場にて、わが北海道の進むべき道が決められ、豊かな北海道となるべく、知事様又議員の人達が議案を進めて行くのだと、少し緊張を感じました。知事席にふれて見たり、記憶の人の席に座ったりしてお話を聞きました。次に秘書室次長の大川様のお話しの中に、網走管内より4名の議長が選出された由、現27代石井孝一議長様の名刺を頂き、応接間、議長室を見学し、登りの急な階段を経て2階の展示室へ入ると、各国の土産物等があまた飾られていました。日程の都合により当初の予定の議会見学は果たされず残念でしたが、種々学ぶことが多くあり、代表の方々の今後の御活躍を念じながら、赤レンガ前にて記念撮影を終え2泊目の山渓苑へと向かいました。盛り沢山なる知識を貪欲にメモし頭に詰め込んだはずの旅行も、夜のくつろぎとなると賑やか下戸なる私もたのしい一夜を過ごしました。

3 日目の朝里温泉に向う途中の景色は、早くも黄葉を見せ芒穂の揺れも見られました。

途中、 2 ヶ所のダムが有り、螺旋状の道は最新の技術を駆使した方法かと、又長い路のかたへの絶景に驚きながら再度訪れることもなかろうと記憶にとどめながら、小樽へと。小樽でかの有名な「北一ガラス」また「かま栄」にて土産を調達する人あり。

砂川にて昼食のあと一路帰途につきました。旅行の車中、加藤さんの雄弁と博識に盛り上がり、たのしい行程でしたが、今回の旅行を企画された小谷分会長その他の役員の方々に感謝申し上げ、また来年も元気で旅が出来るように、私たちで出来ることは頑張って資金の調達の一端でもと思って話し合い、帰宅致しました。

   
 
 
 
文芸
  短 歌
 

由仁町 中嶋つぎ子
山落ちる日輪瞳に近く晩秋の 雪ふり虫の乱舞す時か
姉見舞ふ行く径すがら雪虫の 我れ頬撫でし払えど虚し
街路樹の紅色深かしナナカマド 行き交ふ野鳥の風景見たり

   
 

伊達市 吉川次子
銀婚の記念にもとめし柱時計 ボーンボーンと真夜の時打つ
たっぷりとボディーソープを泡だてて 術後の傷にそおっと触れる
点滴をしつつ目に入る窓越しの 熊笹ゆらすは北風の指揮
隣家の双子姉妹の連弾が 少し乱れて聞こえる真昼
預かりし嬰児背負えば遠き日の 乳の匂いす娘や孫の出口さがすマグマのごとし携帯が
不意に鳴り出す「玩具のチャチャチャ」 消え残る夜明けの空のひとつ星
父かと思い母かと思う 運命を開く扉は重すぎて
この世の光は見えそで見えぬ 逃げ水を追いかけ幼ピョンピョンと
跳ねてゆきおり丘の農道 通せん坊しているごとくタンポポの
綿毛をつけて蜘蛛の巣光る

   
 

室蘭市 池内満里子
夏の風邪長引く程に我が心 海霧の中へと吸い込まれゆく
むし暑くねむれぬ夜に開く窓 甘くせつない牡丹の香り
少年の果てしない夢そっとのせ 入道雲はみるみる拡がる

   
 

釧路市 松橋幸子
庭の花霜に枯らすは惜しかりて 樽いっぱいに取り込む夕べ
ひまわりを辞典に挟み二十日経て 見ればうれしき我流の押し花

   
  俳 句
  恵庭市 西島明
行く秋や電話も鳴らぬ誕生日 
不揃ひの結び傘寿の冬囲
木枯や堰切れしごと老い深め
   
 

室蘭市 池内満理子
逝く犬の訣れの泪空澄めり
旅人になりたし今朝のウロコ雲
過去帳に犬も入れたし秋彼岸

   
  川 柳
  北広島市 本多司
ネット網マル秘泥鰌が踊り出し
闇将軍乗らぬ民主の手術台
晩秋に落葉囁く風の音
目を皿に這い付くばって茸狩り
   
 

江別市 戸原寿夫
いつも留守妻に感謝我が人生
ゆっくりと雲の流れで稲の花
日盛りの匂ひ家まで持ち帰る
落し文誰も気づかず過ぎにけり
うしろより背を押す風も秋となり