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北海道身体障害者新聞 ( 第 679 号 )

   

平成22年度身体障害者・知的障害者相談員等専門研修会を開催

   
   
 

( 社 ) 北海道身体障害者福祉協会が北海道の委託を受けて実施する「平成22年度要約筆記奉仕員養成講座」が8月22日 ( 日 ) から道民活動センタービル(札幌市内)で始まった。この講座は手話通訳の困難な中途失聴者や中途難聴者のコミュニケーション手段としての要約筆記技術の指導を行うことにより、要約筆記奉仕員を養成し、聴覚障がい者のコミュニケーションという基本的な権利を保障し、聴覚障がい者の福祉の増進と社会参加の促進を図ることを目的に開催しています。

1日目は、8月22日、午前10時から開講式が行われ、本年度の受講予定者13名のうち9名が出席した。最初に主催者である ( 社 ) 北海道身体障害者福祉協会赤坂勝会長から受講者の皆さんに、日頃から私たち障がい者への理解や支援を頂いていることに感謝の意を伝えた後、現在、国で進められている障がい者制度改革の動きなどについて紹介した。その後、「私たちがこれまで要望している障害者権利条約の理念に沿った法整備や、障がい者の自己選択、自己決定による地域生活の実現、障がい当事者参画による障がい者施策の実現など、ごく当たり前な要望ですが、今後これらが実現していくことを切に望んでいます。

受講者の皆さん方にも、ご理解やご協力をいただければ幸いです。」と、また「この養成講座が終わる12月12日に皆さん全員に再会ができ、修了証をお渡しできることを楽しみにしています。」と挨拶した。

続いて、来賓として出席された北海道中途難失聴者協会中西昭夫会長から『要約筆記』については、中途難失聴者にとって必要なコミュニケーション手段であることを話された後、「受講者の皆さんには、今日から12月までの五ヶ月間、土曜、日曜日の講座となるので、健康に十分に留意され全員が最後まで受講されるようお願いします。」と激励の挨拶があった。

その後、この養成講座を主管して進めていただく要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」を代表して山靖子代表から『12月までの長い期間の養成講座となりますが、私たちも皆さんと一緒に勉強していきたいのでよろしくお願いします。』と励ましの挨拶があった。

続いて事務局中森書記から受講に当たっての注意事項などのオリエンテーションを行った後、10時30分から、最初の講義である「聴覚障害者の基礎知識」と題して、札幌医科大学耳鼻咽喉科非常勤講師の新谷朋子さん(とも耳鼻科クリニック院長)からパワーポイントを用いて聴覚の構造、音の伝わる仕組み、聴覚検査、補聴器、人工内耳など医学専門的な内容について分かりやすい講義が行われた。

また、午後からは「中途失聴者・難聴者の臨床心理」と題して、札幌医科大学耳鼻咽喉科川端文言語治療士から講義が行われた。

その後、要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の山靖子代表から養成講座の講師となる同会会員の紹介があった。

続いて、受講生一人ひとりから、自分の出身地、氏名、受講動機などを述べる1分間自己紹介が行われた。

この日の最後の講義は「中途失聴者・難聴者の体験談」と題して、北海道中途難失聴者協会十勝支部名久井幸子氏から講義が行われた。

この養成講座は、今後、12月12日までの期間(土曜・日曜に開催され、延べ12日間・52時間の講義や実技)、開催され、講師は要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の会員の方や外部講師の方々にお願いして、ノートテイクやOHP(透明なシートの上に書いた文字をスクリーンに投影する装置)を使った要約筆記の実習、パソコン要約筆記など、多彩なプログラムが組まれている。

 
平成22年度盲ろう者通訳・介助員養成講座の受講者募集
 

1 受講対象

この講座は、盲ろう者(「視覚と聴覚について重複して障がいのある重度の盲ろう者」をいいます。)の福祉に理解と熱意を有する者に対し、盲ろう者のコミュニケーション手段と移動介助についての知識と技術等の講習を行うことにより、通訳・介助員を養成し、盲ろう者の福祉の増進に資することを目的としています。

このため、受講対象者は、養成講座の全ての受講が可能な20歳以上の者で、終了後、通訳・介助員として登録し、派遣を担う意思のある方とします。

2  主催 北海道・社団法人北海道身体障害者福祉協会

3  協力 社会福祉法人全国盲ろう者協会、札幌盲ろう者福祉協会

4  募集定員 30名(養成講座の趣旨を踏まえて選考します。)

5 開催日時     平成22年12月18日(土)〜12月20日(月)の3日間

6  日程表 下記のとおり。

7  受講料 無料。ただし、テキスト代などの自己負担(3,500円)あり。

8  募集期間 平成22年11月1日 (月) 〜11月26日 (金)

9  申込方法 所定の申込書の用紙に必要事項を記載の上、申し込んでください。

10 問合先 〒060 − 0002 札幌市中央区北2条西7丁目

道民活動センタービル4階

社団法人北海道身体障害者福祉協会

電話011 − 251 − 1551

FAX 011 − 251 − 0858

【日程表(案)】

開催日時

場所

講義等

12月18日 ( 土 )

9時30分〜17時

 

 

道民活動センター

ビル4階

大会議室

開講式・オリエンテーション

講義(盲ろう者福祉概論・コミュニケーション論)

講義(盲ろう者として)

実技(盲ろう擬似体験)

12月19日 ( 日 )

9時〜17時

 

 

 

道民活動センター

ビル4階

大会議室

講義(盲ろう者と手話)

講義(盲ろう者と音声)

講義(盲ろう者と筆記)

実技(食事実習)

実技(コミュニケーション実習(手話、筆記、音声))

12月20日 ( 月 )

9時〜16時30分

 

道民活動センター

ビル4階

大会議室

実技(盲ろう者の移動介助)

講義(通訳・介助活動について)

実習(通訳・介助の実習)

説明(派遣事業について)

閉講式(修了証授与、閉講あいさつ

お困りのときはご相談ください(Aおわり)
   
 

平成22年4月1日から北海道障がい者条例(通称)が全面施行され、障がいを理由とした虐待や差別、様々な暮らしづらさについて解決を図るため、「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」が活動を始めています。

虐待があった場合、障がいを理由とする差別・不利益な扱いがあった場合、日常生活での暮らしづらさがある場合は、最寄の地域づくり委員会事務局(北海道総合振興局又は振興局の社会福祉課)にご相談ください。今回は、「地域づくり委員会」への協議等の手順などについて説明します。

   
 

■申立書を受理した場合

申立書を受理した「地域づくり委員会」事務局では、市町村と連携するとともに、既存の救済制度での対応を含めた事案の整理を行った上で、「地域づくり委員会」での協議が必要な場合は次の手続きに沿って協議などを行います。なお、「地域づくり委員会」では、権利擁護に関する申立てについては非公開で、また、暮らしづらさ等の地域の課題については原則公開で協議を行います。

▼手順@ 申立て

誰でも「地域づくり委員会」に協議等の申立てを行なうことができます。

申立て先は、各地域の総合振興局又は振興局の社会福祉課です。

※ 相談は電話でもできますが、申立ては文書(協議等申立書)で行います。なお、困りごとは、お住まいの市町村でも相談を受け付けています。

▼手順A 調査

申立て内容の事実について確認するため、当時者である申立人、暮らしづらい状況にある障がい者、暮らしづらさの原因とされた人などに面接し、聴き取りを行います。

▼手順B 協議・あっせん(非公開)

「地域づくり委員会」では、調査で確認した事実や当時者の主張等をもとに、当時者双方の参加を求め、中立公平な立場から話合いによる解決を目指します。

※ 暮らしづらい状況にある障がい者と同じ障がいのある人など(参考人)も参加します。

【地域づくり委員会が「著しい暮らしづらさ」があると認めた場合】

▼手順C 指導

暮らしづらさの原因とされた人に対し文書による指導を行います。

【指導によっても改善されない悪質なもの】

▼手順D 知事による改善勧告と公表

指導によっても改善されない虐待や障がい者の権利に重大な支障を及ぼすものについては、知事が改善するよう勧告を行うことができます。

勧告によっても改善されない場合は、勧告内容の公表を行うことができます。
   
町村協会だより52(網走地区滝上町))?親睦研修旅行の旅?
 

第52回として紹介する協会は、網走地区滝上分会(小谷孝一分会長)です。

同分会については昨年度も紹介していますが、今回は、9月14日から16日にかけて親睦研修旅行が行われ、この旅行に参加した清水美知江さんの感想文を添えて投稿があったので、皆さんに紹介します。

 

清水美知江さんの感想文

連日の猛暑もやっと終り初秋の心地良い風を感ずる9月14日「身体障害者滝上分会」の会員参加者23名の期待と楽しみにしていた旅行の当日となりました。

前任の会長加藤四郎様宅の前に集合。途中、2 ? 3ヶ所待ち合わせの人と合流。

一路、定山渓へと出発しました。

砂川にて昼食、2時半には「滝野すずらん丘陵公園」へ着きました。

金ろ梅・這松・黄色コスモス、その他の花々の群落が一面に広がっています。

面積、400ヘクタール、甲子園の70ヶ位の広さ又、国立公園16ヶ所の中に唯一の北海道に有る国立公園です。

足の悪い人達は、そちこちそぞろ歩きに見学し、健脚の人はゆるやかな登り道を歩いて、全景を満喫したとの事、加藤さんの詳しい説明に、無理をしてでも行きたかった、と思うも後の祭りでした。

午後4時には定山渓の山渓苑に到着、和やかに夕食の宴、自慢のカラオケも聞き、6時より8時までの賑かな宴会を終えました。

旅行2日目朝9時10分に宿を出て、今回の旅の第一の目的地「藻岩山慰霊碑」戦没者のお参りの墓誌の前に立つ事ができました。

以前に参拝した事のある、副会長の尾藤さんより詳しくお話を聞き予備知識を得ての御詣りです。

昭和40年に建立、激戦地沖縄の戦死した方の中にわが町出身者が41名祀られ、沖縄の珊瑚のかけらを名前の台石にはめ込んでいるとの事、今回の旅行者の中には、血縁の人、又は知人の名が刻まれていました。

幾度も撫でさすって、現在の平和の礎となった方々に心から祈りを捧げました。

来年は撤去とか移設の話題もあるとの由、事実ならといろいろ考えさせられました。

「秋を待たで枯れゆく島の青草はみ国の春によみがえらなん」手島司令官の辞世のうたとありました。

あまたの人の尊い犠牲があっての現在の平和な日本が在るという思いに胸をあつくして墓前を去りました。

10時50分お参りを終え、昼食の為「アサヒビール園」へ。

でんと坐り込んだ会員の為に一生懸命、料理を運んでくださる加藤さんに勝手な注文をする私たちをゆるして運んでくださって、腹一杯食べる時間がありましたか?

ほんのり頬を染めた人も皆で、2時半には、北海道庁及び赤レンガ記念館を見学です。

(続きは次号に掲載します。)
 
 
身障相談員連絡協議会総会
 

9月21日 ( 火 ) 、札幌市内で「北海道身体障害者相談員連絡協議会総会」が開催され、次のとおり決定された。

@平成21年度事業報告・決算報告・会計監査報告

平成21年度に実施した事業及び決算、監事監査の結果報告があり、協議した結果、原案どおり承認された。

A平成22年度事業計画(案)、収支予算(案)

平成22年度の事業計画案及び予算案を協議した結果、原案どおり承認された。

なお、次のような意見が出され、今後、幹事会で予算との関連もあるので検討をお願いすることとした。

【提案された意見】

今日の専門研修会や総会に出席できる会員は僅かしかいないので、各地域で開催されている相談員研修会の終了後に、今日の総会のような場(学習会、情報交換会等の場)を作って欲しい。

B役員改選 (新役員)。

会長 瀧山征治(釧路市)

副会長 篠山准子(宗谷振興局)

同 八木橋秀幸(江別市)

幹事 高橋延好(帯広市)

同 佐藤芳太郎(北見市)

同 高橋正子(美唄市)

同 田辺明子(函館市)

同 宮下勇(深川市)

監事 伊東ミツ子(千歳市)

同 鈴木宏(北広島市)

 
 
文芸
  短 歌
 

由仁町 中嶋つぎ子
野鳥の鳴音に安らぎ知りて ひとときの湖面の青さ心溶けゆく
久々に夫と訪ねし日本海 利尻富士山波間に浮ぶ
霜風に吹かれし枝のどんぐりも 落ちて踏まれし老いて寂しく

   
 

釧路市 松橋幸子
家にはコスモス咲きて秋風吹く 最も好きな季節となりたり
子供等に分けて上げるよ 十株程の 薯掘り上げて笑み浮べたり

   
  俳 句
  恵庭市 西島明
鮭跳ねてふと夕星の濃かりけり 
向き会ふて上辺つくろふそゞろ寒
盛り塩の 籬の切れ目銀杏散る
   
 

釧路市 松橋幸子
徳島のすだち土産に婿来たる 
我流の押花つくり露草摘む
枝豆や三粒の莢に目を細め

   
  川 柳
  北広島市 本多司
大将を売出す北の三代目 
貯金七執念ハムが意地を見せ
宮崎知事身売り巧みに演出し 
誕生日昭和指折り懐古する
竜巻の奇襲が絶えぬ事件事故
   
  芦別市 戸原寿夫
けふの空けふの風あり柿の秋 
水音のしづけさにある秋思かな
秋蝉の声かき消して荒瀬かな 
全開の窓に晩夏の月ひとつ