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要約筆記奉仕員養成講座が開講

   
   
 

( 社 ) 北海道身体障害者福祉協会が北海道の委託を受けて実施する「平成22年度要約筆記奉仕員養成講座」が8月22日 ( 日 ) から道民活動センタービル(札幌市内)で始まった。この講座は手話通訳の困難な中途失聴者や中途難聴者のコミュニケーション手段としての要約筆記技術の指導を行うことにより、要約筆記奉仕員を養成し、聴覚障がい者のコミュニケーションという基本的な権利を保障し、聴覚障がい者の福祉の増進と社会参加の促進を図ることを目的に開催しています。

1日目は、8月22日、午前10時から開講式が行われ、本年度の受講予定者13名のうち9名が出席した。最初に主催者である ( 社 ) 北海道身体障害者福祉協会赤坂勝会長から受講者の皆さんに、日頃から私たち障がい者への理解や支援を頂いていることに感謝の意を伝えた後、現在、国で進められている障がい者制度改革の動きなどについて紹介した。その後、「私たちがこれまで要望している障害者権利条約の理念に沿った法整備や、障がい者の自己選択、自己決定による地域生活の実現、障がい当事者参画による障がい者施策の実現など、ごく当たり前な要望ですが、今後これらが実現していくことを切に望んでいます。

受講者の皆さん方にも、ご理解やご協力をいただければ幸いです。」と、また「この養成講座が終わる12月12日に皆さん全員に再会ができ、修了証をお渡しできることを楽しみにしています。」と挨拶した。

続いて、来賓として出席された北海道中途難失聴者協会中西昭夫会長から『要約筆記』については、中途難失聴者にとって必要なコミュニケーション手段であることを話された後、「受講者の皆さんには、今日から12月までの五ヶ月間、土曜、日曜日の講座となるので、健康に十分に留意され全員が最後まで受講されるようお願いします。」と激励の挨拶があった。

その後、この養成講座を主管して進めていただく要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」を代表して山靖子代表から『12月までの長い期間の養成講座となりますが、私たちも皆さんと一緒に勉強していきたいのでよろしくお願いします。』と励ましの挨拶があった。

続いて事務局中森書記から受講に当たっての注意事項などのオリエンテーションを行った後、10時30分から、最初の講義である「聴覚障害者の基礎知識」と題して、札幌医科大学耳鼻咽喉科非常勤講師の新谷朋子さん(とも耳鼻科クリニック院長)からパワーポイントを用いて聴覚の構造、音の伝わる仕組み、聴覚検査、補聴器、人工内耳など医学専門的な内容について分かりやすい講義が行われた。

また、午後からは「中途失聴者・難聴者の臨床心理」と題して、札幌医科大学耳鼻咽喉科川端文言語治療士から講義が行われた。

その後、要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の山靖子代表から養成講座の講師となる同会会員の紹介があった。

続いて、受講生一人ひとりから、自分の出身地、氏名、受講動機などを述べる1分間自己紹介が行われた。

この日の最後の講義は「中途失聴者・難聴者の体験談」と題して、北海道中途難失聴者協会十勝支部名久井幸子氏から講義が行われた。

この養成講座は、今後、12月12日までの期間(土曜・日曜に開催され、延べ12日間・52時間の講義や実技)、開催され、講師は要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」の会員の方や外部講師の方々にお願いして、ノートテイクやOHP(透明なシートの上に書いた文字をスクリーンに投影する装置)を使った要約筆記の実習、パソコン要約筆記など、多彩なプログラムが組まれている。

 
お困りのときはご相談ください(その@)
 

平成22年4月1日から北海道障がい者条例(通称)が全面施行され、障がいを理由とした虐待や差別、様々な暮らしづらさについて解決を図るため、「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」が活動を始めています。

虐待があった場合、障がいを理由とする差別・不利益な扱いがあった場合、日常生活での暮らしづらさがある場合は、最寄の地域づくり委員会事務局(北海道の各地域の総合振興局及び振興局社会福祉課)にご相談ください。

▼地域づくり委員会は、北海道総合振興局及び振興局(十四圏域)ごとに設置されています。

そしてこの委員会では中立公平な立場から関係者との話合いにより虐待や差別、様々な暮らしづらさなどの解決を図ることとしています。

▼それぞれの圏域では、地域づくり委員会の委員長役である「地域づくり推進員」1名と10名以内の地域づくり委員会委員が知事から任命されています。

▼地域づくり委員会での協議やあっせんに当たっては、申立てのあった事案ごとに、「地域づくり推進員」と地域づくり推進員が指名した1名以上の委員により地域づくり委員会が組織されます。

▼地域づくり委員会では話合いによる解決が原則ですが、虐待や重大な権利侵害を含む悪質な事案などについては、「地域づくり推進員」が改善を指導するとともに、指導によっても改善がされない場合は、知事に勧告を行うよう求めることができます。

▼勧告を行うよう求められた知事は、調査部会の意見を聴き、必要に応じて改善のための勧告を行い、改善が図られない場合は、勧告内容を公表することができます。

▼「地域づくり推進員」は、圏域だけでは解決が困難な課題について、推進本部に審議を求めることができます。

※次回は、「地域づくり委員会の協議等の手順」について説明掲載する予定です。


 

 

働く障がい者の就業面・生活面を支援
   
  北海道では、就職を希望する障がい者や在職中の障がい者が抱える困りごとに応じて、雇用や福祉等の関係機関と連携し、就業面及び生活面の両面からの支援を行う「障害者就業・生活支援センター」を設置していますのご利用ください。
   
 

@札幌障がい者就業・生活支援センター「たすく」

(運営=(社福)愛和福祉会)

電話011―722―2000

A小樽後志地域障がい者就業・生活支援センター「ひろば」

(運営=(社福)後志報恩会)

電話0134―31―3636

B道南しょうがい者就業・生活支援センター「すてっぷ」

(運営=(社福)侑愛会)

電話0138―34―7177

Cくしろ・ねむろ障がい者就業・生活支援センター「ぷれん」

(運営=(社福)釧路のぞみ協会)

電話0154―65―6500

D十勝障害者就業・生活支援センター「だいち」

(運営=(社福)彗誠会)

電話0155―24―8989

E空知障害者就業・生活支援センター「ひびき」

(運営=(社福)北海道光生会)

電話0126―66―1071

Fオホーツク障害者就業・生活支援センター「あおぞら」

(運営=(社福)川東の里)

電話0157―69―0088

G石狩障害者就業・生活支援センター「のいける」

(運営=(社福)はるにれの里)

電話0133―76―6767

H上川中南部障害者就業・生活支援センター「きたのまち」

(運営=(社福)旭川旭親会)

電話0166―38―1001

I道北障害者就業・生活支援センター「いきぬき」

(運営=(社福)道北センター福祉会)

電話01654―9―4365

J胆振日高障がい害者就業・生活支援センター「すて?じ」

(運営=(社福)北海道社会福祉事業団)

電話0142―82―3930

   
平成二十三年度入校生募集
 

北海道障害者職業能力開発校では、来年度の総合ビジネス科(20名)、プログラム設計科(20名)、総合実務科(20名)、建築デザイン科(20名)、CAD機械科(10名)を募集しています。詳しくは同校にお尋ねください。

電話0125―52―2774

FAX0125―52―9177

 
 
要約筆記体験講座
 

北身協では7月31日 ( 土 ) 、道民活動センタービル(札幌)で要約筆記体験講座を開催した。

この講座は8月22日から開催する要約筆記奉仕員養成講座の一環として、受講者が事前に中途難失聴者の理解や初歩的な要約筆記を体験することにより、養成講座の円滑な実施に寄与することを目的に実施された。

体験講座は最初に参加者9名全員が、要約筆記のOHP用のフィルムの上に1分間の自己紹介文を書くことから始まった。その後、それぞれ順番に自分の書いたフィルムが映し出されて、字が小さい、行間が詰まって読みにくいなどを確認しながら、フィルムに向かって2度目の要約筆記を体験し、文字が大きく、見やすくなったことを確認した。続いて、名久井幸子(なくいさちこ)さん(北海道中途難失調者協会)から『中途失調者・難聴者の求めている要約筆記』と題した話しがあり、受講者から、ここに来て始めて中途難聴者・失調者にとって要約筆記が必要なことが判った、などの声が聞かれた。

その後、山靖子(やまやすこ)さん(要約筆記通訳ボランティアの会「はまなす」代表)から「要約筆記通訳者として大事なこと」と題した話しを聞いて、講師の方々との質疑応答が行われ、2時間に及ぶ体験講座が終了した。

 
 
北海道善行賞(知事表彰))の受賞者が決まる
 

北海道では、平成22年度の北海道善行賞(北海道知事表彰)の障がい者自立更生者6名と自立更生援護者6名を選考した。これらの12名の方々は、10月17日 ( 日 ) 、帯広市民文化ホールで開催される第59回全道身体障害者福祉大会帯広大会において北海道知事から表彰されることとなる。

 
平成22年度「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の募集
 

■知事表彰受賞者(身体障がい者)

▼自立更生者6名(敬称略)

野里竹男(むかわ町)、保土澤定吉(新ひだか町)、池田敏雄(岩見沢市)、真野武子(当別町)、成田勇一(名寄市)、長谷川優(歌志内市)

▼自立更生援護者6名(敬称略)

岡田博(更別村)、菅原三郎(赤平市)、大石ハマ子(鷹栖町)、浦野由幸(砂川市)、草野眞(標津町)、岡部規子(芦別市)

いきいき福祉・健康フェア2010年

今年も“ふれ愛、支え合い、助け合い。やさしさと安心の暮らし実現のために”をテーマに、「いきいき福祉・健康フェア2010」が開催される。足を運んで、障がい者や高齢者の方々が健康で安心して暮らすための様々な情報を得る機会にしてみてはどうだろうか。(入場料無料)

▼期間

10月15日から17日(3日間)

午前10時〜午後5時(最終日は午後4時まで)

▼会場・問合せ先

アクセスサッポロ(札幌市白石区流通センター4―3―55)

電話011―867―2005

▼開催内容

@最新の健康・福祉機器の展示・紹介

A福祉関連のサービス及び情報の発信・提供

B健康づくり及び生涯学習活動に関する情報の発信・提供

C道内の各自治体・団体の福祉関連の取組み紹介ほか

   

障がい者の就職面接会の開催(道内六地域)

 

厚生労働省北海道労働局では、障がいのある方の雇用の促進を図るため、道内6ヶ所の会場で就職面接会を開催します。

事業主と求職者が一堂に会する貴重な機会ですので求職中の障がい者は参加してください。

▼開催場所及び開催日

@札幌地域

開催  9月28日13時〜16時

会場  ロイトン札幌(札幌市中央区北1条西11丁目)

開催ハローワーク

ハローワーク札幌(011―562―0101)、

ハローワーク札幌東、ハローワーク札幌北

A旭川地域

開催  9月29日13時30分〜16時

会場

ロワジールホテル旭川(旭川市七条通り六丁目)

開催ハローワーク

ハローワーク旭川(0166―51―0176)

B苫小牧地域

開催  9月30日13時30分〜16時

会場

苫小牧市民会館(苫小牧市旭町3丁目2―2)

開催ハローワーク

ハローワーク苫小牧(0144―32―5221)

C函館地域

開催

10月7日13時30分〜15時20分

会場

花びしホテル(函館市湯川町1丁目16―18)

開催ハローワーク

ハローワーク函館(0138―26―0735)

D北見地域

開催

10月14日13時30分〜16時30分

会場

ホテル黒部(北見市北7条西1丁目)

開催ハローワーク

ハローワーク北見(0157―23―6251)

E帯広地域

開催

10月19日13時〜16時

会場

とかちプラザ(帯広市西4条南13丁目1番地)

開催ハローワーク

ハローワーク帯広(0155―23―8296)

※会場内に事業所ごとのコーナーを設け就職を希望する求職中の障がい者が各事業所の人事担当者と個別面接を行います。

▼問合せ先

詳しくは、各開催ハローワーク(公共職業安定所)までお問合せください。

 

「身体障がいの方を対象とした訓練」受講者を募集中

道立札幌高等技術専門学院では、身体障がいの方を対象にした「ビジネスコミュニケーション科」(訓練目標コールセンターオペレーター)を実施するため、受講者を募集しています。

【募集概要】

■募集期間

平成22年7月26日〜9月6日

■応募方法

所轄の公共職業安定所に入学願書等を提出。

■対象者

(求職中の身体障がい者)

•  公共職業安定所から受講指示又は受講推薦を受けられる方

・言語障がいがなく、電話を受ける程度の聴覚のある方

・洋式トイレを使用できる方(車イス対応可)

■定員

7名(応募者が少ない場合は中止もあります。)

■訓練期間

平成22年9月27日〜11月26日

■選考

9月9日(面接及び簡単なパソコン操作を行います。)

■問合せ

所轄の公共職業安定所又は道立札幌高等技術専門

学院能力開発総合センター

(011―781―0559)

 
 
お知らせ【JDF障害者制度改革地域フォーラムの案内】
 

JDF障害者制度改革地域フォーラム in 北海道実行委員会が主催して、11月27日、次の開催要綱のとおりフォーラムが開催されます。参加希望の方は、所定の「参加申込書」に必要な事項を記入して申込みください。なお、DPI北海道のホームページ(下記の問合せ先にURLを記載)からも申込可能となっています。

 

区  分

開 催 内 容 等

1 目的

障害者の適性に応じたスポーツやレクリエーションの実施方法及びリハビリテーションとの関連性等について研修を行い、主として身近な障害者に対してスポーツの喜びや楽しさを理解させるための指導者を育成することを目的とする。

2 主催

財団法人北海道障害者スポーツ振興協会

3 後援

財団法人日本障害者スポーツ協会

4 期間

平成22年11月5日(金)〜11月7日(日) 3日間

5 場所

北海道青少年会館

住所札幌市南区真駒内柏丘7丁目8番1号

電話011―581―1141

6 受講対象者

平成22年4月1日現在、18歳以上の者で、道内に在住し、障害者スポーツの振興に意欲を持っている者。

7 定員

40名(定員を超えた場合は抽選)

8 受講料

5,000円(納入方法は別途通知)

9 申込み及び

問合せ先

所定の申込書により平成22年9月30日(木)(必着)までに、次の申込み先へ郵送若しくはFAX・電子メールで提出すること。なお、電子データの様式は下記Eメールアドレスに連絡し、データファイルを入手すること。

〒060 _ 0002 札幌市中央区北2条西7丁目かでる2・7 4階

財団法人北海道障害者スポーツ振興協会

電話(011)261―6970

FAX (011)261―6201

Eメール haneda@do_syospo.or.jp

JDF障害者制度改革地域フォーラム in 北海道開催要綱
障害者制度改革に向けた現状と今後の方向性について〜

   
 

1.目的

現在、政府は、障害者自立支援法の廃止を決定し、今年1月、内閣府に設置した「障がい

者制度改革推進会議(以下、推進会議)」において「障害者権利条約」に基づく国内法の検

証と見直しおよび新たな法制度の創設を検討している。

そして、今年6月、推進会議は、この間の議論に基づき「障害者制度改革の推進のための

基本的な方向(第一次意見)」をまとめた。その後は、各個別課題に関するより具体的な内

容と来年の通常国会に提出する「障害者基本法」の改正案を検討している。

こうした現状から、今回、北海道では、推進会議の第一次意見及びその後の議論状況の情

報を入手するとともに、各個別課題に対して道内の当事者及び現場の実態に基づき意見を反

映し、障害児・者施策の向上に寄与することを目的として本フォーラムを開催する。

2.主催:JDF障害者制度改革地域フォーラム in 北海道実行委員会

<実行委員会(順不同)>

(社団)北海道身体障害者福祉協会、(社団)札幌市身体障害者福祉協会、札幌市中途難

失聴者協会、(社団)北海道ろうあ連盟、(社団)札幌聴力障害者協会、(社団)北海道精

神障害回復者クラブ連合会、障害者の生活と権利を守る北海道障害者連絡協議会、(財)

北海道難病連、脳外傷友の会コロポックル、DPI北海道ブロック会議、(社団)北海道

手をつなぐ育成会、(社団)札幌市手をつなぐ育成会、北海道重症心身障害児者を守る会、

(社団)北海道精神障害者家族連合会、(特非)札幌市精神障害者家族連合会、(財)北海

道肢体不自由児者福祉連合協会、きょうされん北海道支部、(社福)北海道社会福祉協議

会、(社福)札幌市社会福祉協議会

3.後援:北海道、札幌市(予定)

4.日時:2010年11月27日(土)13:00〜16:45

5.会場:札幌市社会福祉総合センター4F 大会議室

6.定員:300名(先着順介助者含む) 〜申込は11月10日(水)まで〜

7.参加費:500円(資料代・介助者及び支援者で資料不要の場合は、無料)

8.内容:(12:30 受付開始休憩は適宜確保する。)

13:00 開会進行役〜別途調整〜

報告:(仮称)障害者制度改革の現状と今後の方向性について

内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長東俊裕氏

14:30 意見交換:障害者制度改革にむけて〜当事者と現場の実態から〜

16:45 閉会

9.問い合わせ先

DPI(障害者インターナショナル)北海道ブロック会議

住所:〒062 _ 0008 札幌市豊平区美園8条1丁目3―23 コーポリボンハウス

TEL :(011)842―9337 FAX :(011)842―9330

E_mail : info_hokkaido@dpi_japan . org URL : http :// www . dpi_japan . org / hokkaido /

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※「JDF」とは、日本障害フォーラム( Japan Disability Forum )の略称で使用されており、こ

のJDFは「アジア太平洋障害者の10年最終年記念フォーラム」の成果を受け、国内の障害者

団体及びその関係団体が、障害者団体を中心に連携し、第二次「アジア太平洋障害者の10年」

及び我が国の障害者施策を推進するとともに、障害者の権利を推進することを目的に設立。(代

表:小川榮一(社会福祉法人日本身体障害者団体連合会会長))

   

お知らせ【平成22年度初級障害者スポーツ指導員養成講習会の開催案内】

 
 

本道の障害者スポーツ指導者の育成を図るため、本年度も次のとおり「初級障害者スポーツ指導員養成講習会」を開催しますので希望者は期日までに申し込んでください。

   
   
 
 
文芸
  短 歌
 

由仁町 中嶋つぎ子
山ハトの鳴声淋し故郷の街 亡母を忍びて我が心身痛みし
この暑さ寝床の間戸を開けくれば 競い合うかに虫の鳴音きこゆ
陽あびて野辺の草葉に色そえて 紅ないしみぬ赤とんぼ飛ぶ

   
 

伊達市 吉川次子
寝ねがたき闇に降る雨老い母の 嘆きのごとく胸処にしむる
こわれたる玩具を修理するごとく 痛めし身体繕い生きん
今日ありて明日もありとは限らぬを しみじみと知る夜の病廊
亡き父に好く似し翁は陽だまりに 背なをまるめて鋸研ぎおりぬ
ひとりごとを言いつつ母は陽だまりに 繕い終えし足袋ならべおり

   
  釧路町 大道恵美子
幾山河越え来て早やも七十余年 急行列車後戻り出来ず
大空のまほろば行きし歌手ひばり 昭和の終りの思ひあらたに
生前のひばりの映像見つめつゝ 病み上がりのわれ元気づけらるる
   
  俳 句
  恵庭市 西島明
追悼の指ふしくれ生身魂
漁火を連ね良夜び過客かな
雲掴む仕草まざりて林檎狩
   
  網走市 上林俐
リハビリの窓の彼方や雲の峰
大太鼓腹に響かせ祭り過ぐ
人影も笑いも消えし夜店あと
   
  川 柳
  北広島市 本多司
葬らず黄泉の年金罪重し
子は鎹忘れ姥捨て世の乱れ
百薬の長伴侶夕飼の至福時
サンマ不漁千粁沖で待ち焦がれ
付和雷同政治に渇声はなし
   
  芦別市 戸原寿夫
さみだれの日は家に居て文をかく
紫陽花にきれいな月の上りけり
生涯和服でとほし桐の花
なまぬるき風過ぎたる夾竹桃
朝顔や赤子のまなこ濁りなき
虫干しや妻子は読まぬ本ばかり
もぎたての茄子も胡瓜も刺だらけ
頂上へ吹き上げてくる風涼し
あきらかに風の道あり麦の秋